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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
番外編 「それはきっと簡単なコト」
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また一発弾丸がISの表面装甲を掠り、衝撃が体を揺るがす。衝撃と痛みに対する恐怖から咄嗟に身をすくめようとする脆弱な精神を必死に抑え込み、隙を見せずに応戦。アサルトライフルがトリガーに合わせて合金弾を吐きだし、対戦相手の打鉄へと殺到する。フルオートで撃つことはしない。無駄弾は敗北に繋がるからこそ、ここぞというとき以外は出来るだけ弾の消費を抑えなければいけない。

反撃を紙一重で躱した対戦相手はなおもしつこく食い下がってくる。状況は刻一刻と悪化し、しかしこちらの予想通りという意味では好転しているとも言える。追われる側である私とタッグ仲間のティナ・ハミルトンの打鉄は2機とも相応のダメージを負っている。単純なエネルギー状況だけ見ればこちらが不利。
が、それでいい。自分たちが優勢であると勘違いした相手はスパートをかけようと弾薬とブーストの消費エネルギーを増大させ、それでも仕留めきれない事に苛立って操縦に繊細さを欠き始める。事実、操縦者の集中力と体力はこちらに分がある。

自分の作戦に付き合ってくれているティナに内心感謝しつつ、伍和(いつわ) 祭典(まつり)はずっと機を伺っていた。相手はこのトーナメントを決勝まで勝ち抜いた相手。されど自分と五十歩百歩の技量しか持たない相手。勝てる確信はなくとも勝算はあるのだ、ならば最後は―――根性比べだ!

「くっ・・・もうちょいなのに!」
「右から回り込んで!私は左から・・・」
「うっさい!やっぱりさっき様子を見ずに一気に決めてりゃ良かったのよ!」
「なっ!貴方が私にオペレート任せたんでしょ!?今更私のせいにする気なの!?」

次第に相手の消耗がピークに近づいてきたのか口論が始まる。そしてその口論の間の一瞬の隙、マガジン入れ替えの瞬間が訪れた。今までは二人で連携することで給弾の隙を潰していたが、忍耐力で祭典とティナに負けた二人はとうとうその連携を乱した。

今こそ好機。この瞬間を見逃しての勝利など無い。

「・・・今ッ!ブレードセット、180°旋回(ワンエイティ)!!」
「待ちくたびれたよっ!!」

試合が始まって20分。ずっとずっと、この隙を待っていた。―――ブレードを叩き込む隙を。

「え!?しまっ―――」

「スラッシュ!!」
「ツインブレードぉ!だよっ!」

より距離の速かった祭典(まつり)が一閃。続いてティナが二閃。手に持ったライフルごと相手のラファール・リヴァイブを切り裂いた。相対速度によって瞬時加速級の速度で斬られたに等しい衝撃を受けたラファールは無様にアリーナを転がった。

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「そんな・・・嘘っ!!」

咄嗟に減速して僚機を助けようと打鉄を反転させるが、連携を崩していたせいで立て直しと反転にもたついた対戦相手の片割れ
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