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剣の丘に花は咲く 
第二章 風のアルビオン
第三話 襲撃と空賊
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一人手練のメイジがいる」
「えっメイジが!」
「メッ、メイジかいっ! どっ、どどどど〜するんだいっ! シロウ!」
「この傭兵の数にメイジ……厳しい」
「……本当かい」

 様々な反応を見せるルイズたちを見ると、士郎は右手の親指を立てると、テーブル越しに入口を指しながら、遠くのものを見るように目を細める。

「入口にいる傭兵たちの後ろ、約二百メイルほど後ろに白い仮面を被った男がいる」
「えっ?」
「え〜とっ! たわっとっと! しっ、シロウ! 暗くて見えないぞ!」

 士郎の言葉にギーシュがテーブルから顔を出して、矢を射掛けられながらも入口を確認すると、困惑しながら士郎に聞いた。

「まあ、俺は夜目が効くからな」
「夜目が効くって話じゃ……はあ、まあいいわ、じゃあどうするの?」
「強行突破?」

 ルイズたちが疑問の声を上げると、士郎がデルフリンガーを抜き放つ。

「メイジさえいなければ、あとは傭兵だけだ。傭兵だけならばそこまで脅威ではない。俺がメイジを片付ける。ルイズたちは援護を頼む」
 
 デルフリンガーを抜き放ち、今まさに飛び出そうとする士郎をルイズたちが必死に止めた。

「ちょちょっと待ってシロウ! 一人であの中に飛び込むって! 死にたいの!」
「いっ、いくらなんでも無茶だ!」
「シロウが強いのは知ってるけど、さすがにこれはね」
「無謀」
 
 ルイズたちが必死に止める中、ワルドだけは厳しい顔をして士郎を見ている。

「出来るのか?」
「出来る」
 
 ワルドの短い問いに、士郎は短く答える。
 するとワルドはため息を吐くと、杖を構えなおし、呪文を詠唱し始めた。

「詠唱が終わったら行け……デル・イル・ソル・ラ・ウィンデ……」 
「ちょっとワルドっ!」
「ほっ本当に行くのかいっ!?」
「ハァ〜……しょうがないわね」
「やるしかない……ラナ・デル・ウィンデ……」
 
 ワルドの詠唱に合わせ、キュルケとタバサも呪文を唱え始めると、士郎はランナーのように前傾姿勢を取った。
 
「「「今っ!!」」」
「応っ!!」

 キュルケたちの合図と共に、士郎はテーブルを飛び越えると、傭兵たちの集団へ飛び込んだ。
 
「ぐわっ!」
「ぎゃっ!」
「っあ!?」
 
 キュルケたちの攻撃に混乱している傭兵たちの中を、士郎は混乱の中でも襲い掛かってくる傭兵たちを切り倒しながら突き進む。

「―――移動しない……逃げるつもりはないのか?」

 士郎が傭兵たちの集団を突き抜けると、最初に確認した場所から移動していない白い仮面を被った男に裂帛の気合と共に斬りかかった。

「ぉおっ!」
 
 士郎の斬撃を後ろに飛んでかわした男は、腰から黒塗りの杖を引き抜く。
 男が
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