暁 〜小説投稿サイト〜
どっかの分隊長
最近の日課
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ールの彼。またの名をハンジだった。

「宜しくお願いします。」

固いが、なんとか声を振り絞って短く社交辞令をする。気を悪くしたか…?と思ったが、ハンジはニッと笑ってくれる。それに、内心軽くホッとしたものだ。
その後、会議の時に少しだけ雑談をし、そのまま「じゃあね〜。」「はい。」と言い解散。
気の良い奴だなとは思ったが、俺達の関係はただ隣の席に座って少し喋っただけ。話すのも喋るのも、もうこれっきりだと思っていた。

「おーい!」

だが、会議が終わって数日たったある日。そこらへんの道をブラブラしていたら、奴が…ハンジがいた。
何だこの奇妙な縁…。と思ったが、話しかけられているのに無視するわけにもいかない。首だけではあるが、ハンジの方を向いた。

「やっほー、お久しぶり。」
「何か御用で?」
「いやさ、後姿が見えたもんだから。あ、敬語なしで良いよ。」
「そうか。」
「うーん。君は相変わらず無愛想だね〜。」

今思えば無愛想どころではないのだが、その頃、愛想を振りまくというものを知らなかった俺は、また「そうか。」とだけ返した。ハンジはそんな俺に「ほら、そうゆー所。」と笑った。

「それで、君は何してるのかな〜?」
「散歩だ。」
「へー、意外。まぁ体力作りとかには良いね、散歩。よし、俺も付き合おう。」
「そうか。」
「どこ行くの?」
「決まってない。」
「あ、じゃあ俺のとっておきの場所に連れて行ってあげようかな?」
「?」
「ほら、来て。」

ハンジは手袋をしている冷たい手で俺の手をつかみ歩き出す。俺は抵抗はしなかったが、足を前に動かすのがめんどくさかったので、彼に引きづられるように歩いた。
やがて、細長い一本道を抜けて人が密集している商店街に入る。ここは良く利用するが人が多いのだ。故にあまり早く歩けないし、散歩や移動にはむいていない。ここを抜けるならば、どこかで遠回りしたほうがよっぽど早い筈なのだが…ハンジは上手い事人を掻き分けスイスイと進んで行っていた。俺も手をつないでいたので、いつもより大分早くぬけられた。流石、隊長。人混みになれているのか。

「ふー、人がたくさんいたねー。」
「あぁ。」
「でも大丈夫。次は誰も人がいないから〜。」
「―――え。」

そう言って連れてかれた先は森だった。

「こんな所に何かあるのか?」
「ふふふ〜、それがあるんだよ〜。」
「そうか。」
「反応薄っ!」

「ちょっと泣きそう〜。」と笑いながらハンジが言った。泣きそうなら、それ相応の表情をして欲しいものだ。笑った表情から変わらないのはどうかと思う。

やがて森をぬけると、少しあけたスペースに出た。

「じゃじゃじゃ〜ん、ここでーす!」
「……湖?」

小さな魚が透明な水の中で
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