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パンデミック
第二十一話「二人の適合者」
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ーーー作戦開始から2時間14分


ーーー【"エリア48" 噴水広場 作戦本部】


「ヴェールマン司令。ある程度特定できました」

オペレーターが、ヴェールマンを呼びだす。ヴェールマンが急ぎ足で駆け寄る。

「どうだ?」

「大通り、時計台通り付近にいる兵士の中に……無線の使用回数が妙に多い奴が紛れているようです。
気になって全ての兵士に持たせたGPSの座標を調べてみましたが、これもどうにもおかしい。
大通りと時計台通り付近に、兵士が集中してきているみたいです。さっきの不確定要素が原因の撤退命令
が届いているにも関わらず……それに負けじと救援要請が付近の兵士にばらまかれたようですね」

「やはり、裏切り者が紛れているか……」

ヴェールマンは眉間にシワを寄せた。
今回の作戦には、裏切り者を見つけ出すという裏の目的がある。
全ての兵士の持ち物に、気付かれないようにGPSを仕掛けた。
これで、妙な動きを見せた兵士をマークすることができる。

「…………個人を特定できるか?」

「それが………周囲に強力な妨害電波が発信されていて、特定は難しいかと……」

「………では妨害電波の発信原とコードを解析してくれ」


ここで裏切り者を野放しにはできない。
何としてでも、見つけ出し……償わせてやる。











ーーー【"エリア48" 時計台通り】


「はっは〜。強いねぇ、アンタ」

「感心してるなら、とっとと斬られてくれないかなー」

戦いは既にレックスとレオの二人だけで続けられていた。
オルテガは、咳き込みながら倒れている。もう戦う力は残されていない。

レックスは居合いの構えをとったまま、レオの目の前まで急接近し、胴に刃をぶつけた。
普通なら、刃がぶつかった瞬間にレオの身体は真っ二つになる。
しかし…………


ガキィィン!


耳に響く金属音。決して鳴るはずのない音。
日本刀の刃は、レオの脇腹で止まっている。

「……どうなってんの?アンタの身体」

レックスは冷や汗を垂らしながらレオに問う。

「アンタ等んとこにもいるだろ?俺様に似た"能力"持ってる奴」

「へえ……オレの同僚をなんで知ってんの?」

その質問に、レオは嫌な笑顔を浮かべた。

「なんだ、なんも知らないわけ?まいっか」

そう言うと、脇腹の日本刀を掴み、レックスを蹴る。
しかし、至近距離から放たれたキックは、レックスに直撃することはなかった。
掴まれた日本刀を素早く引き抜き、流れるような動作でレオの首を斬りつける。


ギィィィン!!


再び鳴り響く金属音。同時に日本刀の刃が真ん中からへし折れた。

「なっ!?
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