第六十三話 最後の最初
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「艦隊を発進させるぞ。準備は良いな?」
連合の総指揮を執るのはジョゼフではなく連合の高官。アルザッヘル基地の司令だった。ジョゼフは自身が政治家であり軍人でない事を理解している。だからこそ、指揮は軍人に任せ、自分はあくまでも部隊を多く集めさせるためのお飾りに過ぎない。
とはいえ、お飾りや傀儡などと言うのに慣れているジョゼフにとって別段反発する気などなく、寧ろ専門家にこういったことを任せるべきだと判断していた。
「戦略部隊はどうなっている?」
「ハッ、既に準備を整えているものが殆どであり、第一陣の出撃には殆どの部隊が間に合うものかと思われます」
指揮官としてはジョゼフに権限はなくとも、彼は自身が勝つために政治的な面での考えをしなくてはならない。あくまでも軍人の仕事は目の前の戦場で勝つ事であり、一般兵士であろうとも将官であろうともその目の前の戦場の規模が違うだけに過ぎない。
だからこそ、こういった戦略面での作戦で時たま政治家が口出ししてくるのは少なくとも連合内ではありえることだと言えた。そして、レクイエムやコロニーレーザーなどといった戦略級の大型兵器が無い以上、彼らに許された戦略級の兵器はデストロイや核装備のMS位のものであり、それらの準備が進められていく。
「ですが、本当に核部隊を用意するつもりですか?初戦でも核によるプラントの直接攻撃は失敗したんですよ?」
連合側は敵のザフトにニュートロンスタンピーダーが存在している以上、それらが抑止力となって迂闊に核部隊や核動力搭載機を用意することは出来なかった。デストロイなどの大型MS・MAが大量の出力を必要としているにもかかわらず、核動力を使用していなかったのはこれを危惧していたからでもある。
例外と言えるのは戦略的な作戦に組み込まれにくく、単独行動の多いファントムペイン位のものなのだ。
だが、既に状況は追い込まれており、世間では連合の信用もガタ落ちの状態である。であれば最早そういった手段を選ぶという事など出来るはずもなく、非道とも言える行為をいくら行った所で問題はない。元々民衆というものはあっさりと掌を返すものである。対岸の火事の結果がどうなったところで勝った方に従うのが殆どだ。
「核部隊はいくらか散開させて使う。核を誘爆させる兵器がどの程度の回数使えるのかは分からないがそれ以外にこちらに残された手立てはない……」
デストロイなどの大型MS・MAではザフトのエースに切り崩されるのは目に見えている。結局、連合に残されている最後の切り札は張子の虎と言ってもいい核以外に手立てはないも同然だった。
「それで、目標地点はどうなさるので?」
そして結局はそこに辿り着く。アプリリウス等のプラントへの直接攻撃を行うには戦力、というよりも策が心許ない。よくて刺し違える
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