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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
覚悟
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、邪魔になるのは間違いないわ。」
「ですから、必ず黒ウサギさんを連れて合流するのなら、構いません。」
「OK。約束するよ。」

一輝はそう言いうと水に乗り、

「じゃあ、行ってきます。」

そう言ってサラマンドラの宮殿に飛んでいった。

「じゃあ、私たちも行くよ。念のため、あんまり離れないでね。」
「「「了解。」」」

スレイブはまだ付いて行きたそうにしていたが、ヤシロの言うことに従い、走っていった。



           ======================



一輝は全速力で、今までに出したスピードのさらに上を行くスピードで宮殿に向かったが、それでも遅かった。
一輝が付いた時点で既に、黒ウサギをかばい、十六夜は貫かれていた。

「うそ・・・だろ・・・」

一輝は目の前の光景を受け入れられずにいたが、

「十六夜!まさか、死んじゃいねえよな!?」
「一輝か・・・本音は一緒に戦って欲しいんだが・・・」

十六夜はそう言いながら、脇腹で自分を貫いている爪を抱きとめ、

「黒、ウサギを・・・・連れて逃げろ!!!」
「く・・・了解。」
「ああ、皆を頼んだ。この龍は・・・俺が足止めする・・・!!!」

十六夜に加勢しようとする意思を抑え、一輝は陰陽師モードになり、是害坊を憑依させると、黒ウサギを抱き上げ、上空に逃げる。
一輝は涙を流しながら、伝説級を除いた空を飛べる妖怪、魔物を顕現させ、この場では無力な人たちを逃がすよう命令する。

「だ………駄、ぁ、………駄目………!!!」

黒ウサギは一輝の腕の中から落ちそうなほど身を乗り出し、十六夜の背に手を伸ばす。
十六夜は、それに気づいたが、

「――――ごめん。旗を取り戻す約束は・・・果たせそうにない。」

無理矢理に笑みを作り、まっすぐな言葉で謝罪をした。
黒ウサギは言葉にならない叫びを上げ、身を乗り出そうとするが、一輝が腕に力をこめ、制する。
十六夜の言葉を聞いた時点で、覚悟を受け取った時点で、一輝は黒ウサギを逃がすと決めたのだ。
一輝は十六夜に背を向け、その場から一目散にさった。

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