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蘇生してチート手に入れたのに執事になりました
哲学的内容・・・・人間とは
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異物が身体の中に押し込まれる感触。やはりこんな身体でも感じる、身体の痛み。こんな身体でも流れる赤い液体。
分かる。今俺は、腹に槍を刺されている。しかし、刺さっているだけだ、貫通はしていない。
何故なら俺は別に槍に刺された訳ではない、『刺ささりにいった』のだ。別に運良く貫通しなかったのではない。『貫通させなかった』のだ。
有馬の持つ悪趣味な槍は槍自体が細かく震えているー高周波振動とかなんかだ。その槍と、有馬の人外の速度で、かなりの速さと貫通力を持つことは容易に想像できる。
だがらこそ、槍と有馬の本体を捉える必要があった。そうしなければあの速度で俺の攻撃は当たらない。
相手の攻撃を敢えて受け、筋肉を硬質化させて槍を捕らえる。予想外に槍が引き抜けなかった有馬は一瞬の逡巡。そして、さっ、と瞳に理解と怯えの色が浮かび、揺れる。だが、もう遅い。既にその一瞬の逡巡の内に宏助は拳を繰り出す。
「オラァ!」
短い気合と共に繰り出す、単純な右の拳。真っ直ぐで何のフェイントも無い、素直で、しかしだからこそ大きな破壊力を生む貪欲な拳。
それが、人外の力と共に音を立てて有馬の身体に走る。
「・・・・・・・・!!!」
有馬は大きく身体を仰け反らせその衝撃を後ろに受け流す。しかし、そのまま吹き飛んで後ろへ飛んでいく。
ここだ。
宏助はそう思った。あの厄介な速度をまた出されれば自分の攻撃は当たらなくなる。
だから宏助は走る。一直線に、有馬を追いかけて。
その際に自分の腹に刺さった槍を抜くのを忘れない。そして、
衝撃を後ろへ流したことであまりダメージを受けていない有馬の身体に向かって投擲した。
空気がビュン!となる音。有馬は既に体制を取り戻そうとしていた。しかし、無駄だ。
「グ・・・・グワァぁァァァ!」
有馬自慢の高周波振動によって貫通力と速度を高めた槍が、人外の投擲によってその持ち主の肩に刺さる。
しかし、宏助は追うのをやめない。更なる疾走を自分の脚に命じる。
槍を肩に刺したのは死なないようにするためだ。死神・・・・とやらでも殺したくはない。
だがら行動不能にしなければならない。
ちらりと有馬がこのままいったらぶつかるであろう後ろの壁を見やる。アレなら、大丈夫だ。コンクリートだ。
そう自分に言い聞かせ宏助は腕に、拳に、肩に、肘に、力を込める。
そして、
「オラァァァァぁァァァぁァァァァぁァァァ!」
その全てを有馬に刺さっている槍の柄にぶつける。
柄は新たな勢いを得、そのまま槍が刺さるものに更に刺さる。そして、宏助はその拳をそのまま伸ばして。
その勢いで槍を後ろの鉄筋コンクリートの壁に刺す。
有馬の身体も当然のように追随し、有馬は壁に縫い付けられる形になる。
「ゴホッっっ・・・・・・・・。」
有馬は血を吐き出し、そのままうな垂れる
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