暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
届け あの空に
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
のリオンの言葉に、一同は疑問を覚える。

「3年間1度もか?」
「そういえば、遺跡から毎晩のように月の雫(ムーンドリップ)の光が降りていたはずだよね。なのにここを調査しなかったのはおかしな話よね」
月の雫(ムーンドリップ)の人体への影響についても、多少疑問が残る」

リオンの呟きに、ナツがつっかかる。

「何だよ・・・今更『俺達のせいじゃねぇ』とでも言うつもりかよ」
「3年間、俺達も同じ光を浴びていたんだぞ」

・・・が、リオンの正論に何も言えなくなった。

「気をつけな。奴等は何かを隠してる。ま・・・ここからはギルドの仕事だろ」
「そうはいかねぇ・・・お前等は村をぶっこ」

言いかけたナツの両頬をエルザが挟むように掴む。
そして思い出すのは、ここに来る前、1人で儀式をしていたトビーの言葉。

『シェリーや・・・お、俺達は皆・・・デリオラに家族を・・・殺された者同士だ・・・それでリオンに協力してたんだよ・・・リオンならデリオラを倒してくれる・・・俺達の恨みを、きっと晴らしてくれる・・・』

「奴にも奴なりの正義があった。過去を難じる必要はもうない。行くぞ」
「行こーったって、どうやって呪い解くんだよ」
「さあな」
「あらら・・・」
「てへっ」

そう言い、エルザは全員を率いて立ち去る。
が、グレイだけは残り、リオンを見ていた。

「何見てやがる」
「お前もどっかのギルドに入れよ。仲間がいて、ライバルがいて、きっと新しい目標が見つかる」

そう言われ、リオンは顔を背けた。

「く、くだらん・・・さっさと行け」

そしてそこには、リオンとティアが残る。

「何だ、お前はアイツ等について行かないのか?」
「どうしようが、私の勝手でしょ」

フン、とどこか不機嫌そうに言い放つ。

「・・・相変わらずだな、その性格の悪さは」
「何ですって?それを言うなら、アンタだっていろんな意味で変わってないわよ」
「なっ・・・いろんな意味とはなんだ」
「色々ありすぎて全ては言い切れそうにないわ」

ひょいっと肩を竦めるティア。
その横顔には微細な感情しか残っていない。
簡単に見れば無表情にも見える。

「それにしても、お前がいるとは思わなかったぞ」
「私だって来たくなかったわ。けどマスターに言われたら、行くしかないでしょ」
妖精の尻尾(フェアリーテイル)と聞いた時からいる気はしていたんだがな」

リオンが苦笑する。
いや、苦笑というより、ただ口が弧を描いただけ、と言った方が正しいのかもしれない。

「・・・久しぶりだな」
「えぇ、久しぶりね。私がギルドに入ってからは1度も会っていないもの」

背中を預けていた岩から離れ、足を進める。

「またし
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ