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蘇生してチート手に入れたのに執事になりました
死神ですけど、何か?
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「・・・・・・自分は坂口誠、といいます。1803年に自殺しました。当時三十三歳でした・・・・・。」
しばしの沈黙。しばらくして坂口は再び口を開く。
「あと・・・変態です。」
「自分で言うなっツ!」
素早く坂口の頭に垂直チョップ。坂口はしばらく悶絶。
俺と明は今、先程の銭湯の裏の路地にいる。銭湯を覗き、しかも明まで覗こうとした幽霊の能力フル活用の変態幽霊坂口の事情聴取中だ。
「しかし、なんでこうなったんでしょうね?」
先程坂口の頭をチョップした右手を眺める。
「おそらく、私の影響だと思いますけど・・・・・。私前から意識すれば幽霊触れましたし・・・・・。宏助さんは、私の能力に影響を受けやすいようですね・・・・?今だって坂口さんの声が聞こえるし・・・・、不可解です。」
そうなのだ。前、田中、という幽霊と出会ったときは明の能力の影響で見ることができたが、なんと今回は声まで聞こえ、更には触れるようにまでなってしまったのだ。よく分からないが、好都合だ。自分と明のマフラーを断ち切ったこの幽霊にはなんとしても天誅を下さねばならない。
先程の騒動ですでに明は宏助をマフラーの束縛から解き放っていた。
「で、貴方はなんでこの世に残っているんですか?」
明は坂口に質問。しかし、坂口は渋って返答を返さない。なにか言いにくい理由でもあるのだろうか。
そんなとき、急に誰か人の・・・いや『人にしてはおかし過ぎる』気配を宏助は背後から感じる。慌てて宏助が振り返ると・・・・
「ソイツがこの世に残るわけは、『死んだ自分の妻の幽霊を探す』というのが未練だからだ。ま、どーでもいいけど。」
自分達の数メートル後ろにおかしな男性が立っていた。
「誰ですか貴方!それに何故この人の未練を知っているんですか!」
明は叫ぶが宏助は動揺していた。確かに俺は気配を察知しようとしていた訳ではない。しかし、自然と人の気配位伝わってくる。それが、こんな背後数メートルに来るまで気づかないとは、異常だ。
その異常の発信源である男は話す。
「誰ですか?ね。いいさ、答えてやる。俺は単独部隊幹部《疾槍》有馬だ。ま、簡単に言うと・・・・・・」
そして、その異常は更なる異常を呼び起こす。
「・・・死神だ。」
「死神ィ?」
すぐさまその声に疑問符を返す。男の見た目は二十代後半、といったところの男性。不揃いな茶髪に、耳や指につけている多種多様なアクセサリー。そして上下の短い紺のジャージ。筋肉隆々の身体。顔立ちや目からはなにか野性的な獣のような力強さが感じ取れる。そこだけ見ればただの最近の若者、といったところだが、不自然な点が三つ。
ひとつは、身体に羽織ってる真っ黒のローブ。それが、身体を覆い隠している。そして二つ目。そのローブとは対照的に真っ白でまるで死人のように透き通った肌。そして、最後は
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