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東方異形録
第49話 動き出す運命

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「ふぁ〜。今日の依頼も午前中に終わったし、くつろぐかぁ〜〜。」

(なんだかんだいって、神子達と会って5年か。…成長したよなぁ。)
 それは身や心のこともあるが、“術に関しても”である。 立派なもんだ。

「とかゆう自分も、霊力を使って飛べるようになったんだけどね。」

青蛾には感謝しきれない。俺の正体がばれたときの件にせよ、助けて貰っているばかりだな…このままじゃだめだな、プライドも有るけどやはり申し訳なく感じる。
(いずれ恩返しをしなくちゃな)

タッ、タッ、タッ、タッ、タ。 客か。

  「はいはい…ん?青蛾じゃないか。どうしたんだ、そう慌てて…」
青蛾「ハァ、ハァ----急いで来てください! 神子さんが…」

 ゾクッ、 嫌な汗が額と背中に流れた。

青蛾「---危篤状態なんです!!」
  「なっ---!!?」

嘘、だろ?
 いったい何が遭ったんだ!?

青蛾「不死の薬と言われる丹砂を飲んだようで…それから状態が悪くなっていったそうです」

 丹砂…… そうだ、丹砂って硫化水銀のことじゃないか!!!
(あんな物飲んでしまえば---)
 そう、待つのは他ならぬ“死”…!

  「やばい…! 青蛾、急ごう!」
青蛾「っ、はい!」

俺たち神子の元へ、飛び急いだ。



「(神子…今行くからな!)」



  「神子、大丈夫か!」

 そうすると、神子は震える手で布団をめくり、此方に話しかけた。

神子「翔、さん。戻ってきて、くれ..まし....たか。」

 体が度を超えるくらい弱っているはず。それなのにも関わらず、神子は笑顔のまま話している-----痛々しいとしか言い様がない....

神子「私の体は保ちそうに有りません……済みませんが布都たちを呼んできてください。」
  「----…! 分かった。」

神子のこれまでに無いほどの真剣な瞳に見据えられ、俺は風のような足で布都たちを呼びに走った。






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