暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
真実は悲しき氷の刃
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

絶対氷結(アイスドシェル)!?」
「「アイスドシェル?」」

驚愕の声を上げるリオンに対し、首を傾げるナツとルー。
その時、2人はグレイとリオンの言葉を思い出した。

―ウルはこの悪魔に絶対氷結(アイスドシェル)っていう魔法をかけた―

―ウルが命をかけて封じた悪魔だ―

―ウルは既に死んでいる―

「!」
「まさかっ・・・!」

そして、合点がいった。
今、グレイが何をしようとしているのか。

「き、貴様・・・血迷ったか!?」
「今すぐ島の人の姿を元に戻せ・・・そして仲間を連れて出ていけ。これはお前に与える最後のチャンスだ」
「なるほど、その魔法は脅しか・・・くだらん」

うっすらと笑みを浮かべてそう言うリオン。
だが、次の瞬間、グレイを中心にすさまじい魔力と冷気、風が巻き起こった。

「くっ!」
「ぬぉぉっ!」
「わぁぁっ!」

吹き荒れる風にナツとルーは吹き飛ばされ、リオンは何とか踏み止まる。

「本気だ」

そう言うグレイを見たルーは、再び近づくがあえなく吹き飛ばされた。

「コイツ・・・!」

阻止するため、リオンは右手に冷気を集中させる。

「うおぁっ!」

が、絶対氷結(アイスドシェル)のすさまじい魔力を前に、近づく事すら出来なかった。

「この先何年経とうが・・・俺のせいでウルが死んだという事実は変わらねぇ。どこかで責任をとらなきゃいけなかったんだ」

グレイに巻かれていた包帯やガーゼが取れていく。
そんなグレイを3人は驚愕に似た表情で見つめていた。

「それをここにした。死ぬ覚悟は出来ている」

ぺり、と額に貼ってあった湿布が剥がれた。

「本気・・・なのか・・・!?」
「答えろ、リオン!」

何とか立ち上がろうとするリオンにグレイは叫ぶ。

「共に死ぬか、生きるかだ!」

グレイは決死の言葉でリオンに問いかける。
だが、それに対し、リオンはニヤッと笑みを浮かべた。

「やれよ。お前には死ぬ勇気はない」

その笑みはどこか挑発的だ。
それを見たグレイは1度目を閉じ、ゆっくりと開く。

「残念だ」
「ぬぅえあぁっ!」
「うぐぐぐぐっ!」

ナツとルーが力任せに立ち上がる。

「これで全て終わりだ!アイスド・・・」

グレイがクロスした両腕を開こうとした、その時!



「どアホォ!」
「大バカーっ!」



横から突然ナツとルーが現れ、容赦なくグレイの顔面に拳を決める。
それによって、魔法は中断された。
その様子を見ていたリオンはまた目を見開く。

「ナツ・・・ルー・・・」
「勝手に出てきて責任だ何だうるせぇんだよ」
「そーだよっ!人の獲物とらないでよっ!」

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ