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MS Operative Theory
統合整備計画@
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??多様性と効率化という命題に挑んだ公国軍のMS規格統一化??

 限られた資源や生産ラインで多くの製品を生産するためには、省力化や効率化が必須である。

 一番効率がよいのは単一の製品のみを生産することだが、それが許されない状況では、可能な限り部品を企画・統一化することが得策である。同じシャシーを使ってセダンやバン、スポーツカーなど多数の車輌を生産するのが具体的な例であろう。

 軍事においてもこのような例は多く、砲塔を変更することで偵察車輌を装輪自走砲とする装甲車や、かつての日本軍が採用した統制ディーゼル(1.8?シリンダーを組み合わせることで、複数の排気量が異なるエンジンとする)などが存在した。

 より総合的な見地から遂行されたのが、同様にドイツ大三帝国が計画した「E」シリーズの開発である。これは、あまりに多様だった戦車群の統一・規格化と国内の非軍事系重工メーカーの動員によって、戦車生産の効率化を図るというものだった(Eシリーズとはこれによって開発されるはずだった戦車シリーズのこと)。

 宇宙世紀の軍事産業における一般的な効率化は、地球連邦軍の主力機ジム系列MSに見られるような、単機種への限定化による生産性や互換性の確保である。これは工業製品生産におけるもっとも基本的な効率化で、高い国力を誇る大国が選択することが多い手法である。

 これに対し、国力には劣っても(資源は乏しくても)高い技術力を持つ国家は、雑多な高性能兵器群を開発する傾向があり、それぞれの性能には着目しても効率化には無頓着である場合が多いようだ。このパターンに当てはまるのがジオン公国軍である。

 公国軍は一年戦争において多種多様なMSを開発、戦線に投入した。確かにそれぞれが強力なマシーンではあったが、あまりに多様なMS開発は運用面や生活面などで早晩問題となることは間違いなかった。

 そこで地球侵攻作戦が目前となったU.C.0079,02、突撃機動軍司令キシリア・ザビ少将の懐刀と呼ばれたマ・クベ少佐(当時)を責任者として、MSの規格統一化を目指した「統合整備計画」が実施された。

 マ・クベ少佐はMS開発会社の技術者を呼び出すと、半ば脅迫する形で、各MSをザクの生産ラインに適合するように再検討することを求めた。各MSに互換性を持たせることで、生産効率と運用性を高めようとしたのである。この命令によって各種MSの開発は一時的に停滞し、一年戦争最後の主力MSと呼ばれる「MS?14A ゲルググ」の開発すら挫折しかけたが、戦争中期には計画も軌道に乗り、「統合整備計画」仕様のMSがロールアウトするようになった。

 “ジオン驚異のメカニズム”とも呼ばれる公国軍の技術力と、ザビ家の権力をバックにした即断体制のなせる技であった。「統合整備計画」で開発された各
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