暁 〜小説投稿サイト〜
パンデミック
第十七話「"マンティコア"」
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
ーーー【"エリア48" 時計台通り】


「おいおい………どうなっちまってんだよ………」

飛び散った血と肉片で、真っ赤に染まった街道。
無造作に転がっている、千切れた手と足。正確には、それらしきモノ。
苦悶の表情を浮かべたまま、血の海に横たわる兵士の遺体。

……覚悟はしてたが、これほどとはな………

オルテガは、足がすくんだ。
感染者への恨みを忘れたわけじゃない。しかし、感染者への恐怖も知ってしまった。
ここで怖じ気づいてどうする。
オルテガは、震える足に喝を入れて、再び歩き出した。
すると……

ガガッ

無線に何か、音声が入ってきた。

『こちら、作戦本部。全兵士に緊急通達!』



『時計台通り付近で、不確定要素の介入を確認!』





『至急、時計台通りから離脱せよ!!』











……………………は?

おいおい、ちょっと待てよ?
不確定要素?なんだよそりゃ?
て言うか……時計台通りって………俺が今いる、ここじゃねぇか!?

オルテガは走り出した。
まずい、まずい、まずい!!
もしあの血の海を作ったのが、その不確定要素とやらの仕業なら………
今、この場に留まっているのはヤバい!!

「ハァ、ハァ、ハァ……クッソ!なんなんだ!?この状況は!」








「………ハラァ、ヘッタ………ナァァ」


!?

なんだ、今の声………
咄嗟にオルテガは足を止めて、周囲を見回した。

建物の屋上に、何かが立っている。

なんだ、アイツは………

建物の屋上に立っていた化け物は、とてつもなく異様だった。
まず、体つきがあまりにアンバランスだった。
筋肉質な上半身は、腕が地面に付くほど長い。
それに比べて下半身は、筋肉質ではあるものの、腕の半分もないほど短足だった。
何より気になったのが、その顔。
口以外を覆う仮面。その仮面は、釘で顔に打ち付けられている。
そして、仮面から光る赤い眼光。

化け物が屋上から飛び降り、オルテガの前に着地した。
オルテガはその場から動くことができなかった。

「なんだ……テメェは…?」

「オオォ……オマエ、ヘイ…シ?」

「…………だったら?」

「……メイレイ、オマエ…喰ウ…………」

オルテガは素早くナイフを構えた。
ソレンス、ユニ、フィン………俺、ここで死ぬかもしれねぇ……








ーーー【"エリア48" 時計台内部】

「スコーピオ」

「あぁ、レオ。やっと来たか」

「"マンティコア"が交戦状態に入ったって?」

「……この分なら、良い実戦データが取れる」

「話は変わる
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ