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第六十三話 姿を現すもの
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では受け止めきれず肩口にダメージを負うソレイユ。対人戦闘において、このALOでソレイユが初めてつけられた傷と言っても過言ではなかった。それほどまでに、ソレイユは対人戦闘においてそれほどまでに無類の強さを誇っていたのだ。

「厄介だな」

姿を消す幻影魔法ならソレイユは天帝空羅で対処できる。それはスプリガン領主シェイド戦で確証は得ている。だが、ここで問題になってくるのはシェイドとフォルテの闘い方の違いにあった。シェイドの闘い方とは相手の死角に入り、安全な間合いから投擲用のナイフで敵を倒していくというものである。対して、フォルテの闘い方とは近接剣技主体の魔法剣士である。そう、近接剣技主体なのである。ソレイユは天帝空羅を間合いの補助として使っている。つまり、間合い外からの奇襲に備えて、あるいは見えない敵に対処するために身に着けた技術なのである。だからこそ、自分の間合いの中で幻術魔法を使われては天帝空羅は無意味の産物でしかない。

「くそ・・・!」

何とかフォルテの猛攻に耐えようとするも、ソレイユの攻撃が当たる微妙なタイミングで幻術魔法を使われるため、何ともタイミングがつかめない。
一合、また一合と金属同士がぶつかり合う甲高い金属音が響くと、ソレイユのHPが少しずつ減少していく。このままではまずい、と思ったソレイユは一度大きく距離を取った。

「開けてびっくりしたよ。完全に藪蛇だった」

「そいつはどうも。褒め言葉として受け取っておくよ。で、これからどうするよ?」

楽しげに言うフォルテにソレイユは苛立ちを起こすことも舌打ちをすることもしなかった。ただ、溜息を吐いて口を開いた。

「こんなことになるとは思わなかったよ。ったく、これじゃ趣向を変えるいみがなかったな」

そう言って左手をゆっくりとした動作で前にかざすと笑いながら口を開いた。

「あーあ、こんなところで使うつもりなんてなかったのによ・・・まっ、しょうがねぇか・・・いっちょお披露目といきますか――」

そう言ってソレイユは何もない場所を握ると、思いっきりなにかから引き抜く動作をする。そして、それは起こった。

――あふれ出たのは大気を燃やし尽くす炎の奔流

その炎はしだいにソレイユの左手に集束されていき、やがて一振りの刀の形を作り出した。そして、ソレイユはその刀の名を高々と呼んだ。

「――なぁ、レーヴァテイン!!」

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