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Element Magic Trinity
勝手にしやがれ!
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さい」

だが、グレイは怖れる事をせず、向けられた剣を握った。

「!」

それを見たエルザは驚く。

「勝手にしやがれ!これは俺が選んだ道だ!やらなきゃならねぇ事なんだ」

剣を握った掌から血が流れる。
パッと剣を離し、顔だけをこっちに向けた。

「最後までやらせてもらう。斬りたきゃ斬れ、殺したきゃ殺せよ」

そう言い残し、グレイはテントから去っていく。
ポタ、ポタ・・・と剣からグレイの血が流れる。
ふぁ・・・とエルザの髪が靡いた。

「エルザ・・・」
「あぁ」

ティアのソプラノボイスに怒りが混じる。
声だけではない。目にも表情にも怒りがにじみ出ている。

「ちょ・・・エルザぁ〜、ティアぁ〜、おおお・・・落ち着いて・・・!」
「そうそう、グレイは昔の友達に負けて、気が立ってんだよぉ〜・・・」

2人が震える声でそう言う。
エルザがギロッと2人を睨み、2人はすくみ上がった。

「エルザぁ〜〜〜〜〜っ!」
「ナツー!助けてーーーーーー!」

そしてエルザは斬った。






・・・ルーシィとハッピーを縛っていた、縄を。






「行くぞ」
「え?」

突然縄を斬られ、突然「行くぞ」とまで言われたルーシィは声を上げる。

「これでは話にならないわ」
「まずは仕事を片付けてからだ」

それを聞いたルーシィとハッピーの顔に笑顔が浮かぶ。

「勘違いするなよ、罰は受けてもらうぞ」
「アンタ達の事を許した訳じゃないんだからね」
「「あい」」

















ここは月の遺跡・・・の中。

「情けない・・・残ったのはお前だけか」
「おおーん」

遺跡の中にある玉座に『零帝』リオンが足を組んで座り、その前に申し訳なさそうにトビーが立っていた。
麻痺爪メガクラゲが刺さった額には湿布が貼ってある。

妖精の尻尾(フェアリーテイル)め、なかなかやるな・・・まぁ『奴』がいるギルドだ。それくらい当然か・・・」
「俺が自爆ったのはナイショの方向で頼みます」

トビーの自爆発言にリオンは沈黙する。
それは呆れての沈黙とも思えるが、何かを考えているような雰囲気が漂った。

「これではデリオラの復活も危ういかもしれませんな」
「いたのか、ザルティ」

そこに仮面の初老の男『ザルティ』が現れた。

「今宵・・・月の魔力は全て注がれ、デリオラが復活する。しかし月の雫(ムーンドリップ)の儀式を邪魔されてしまえば、デリオラは氷の中です」
「くだらん・・・最初から俺が手を下せばよかっただけの事」
「おおーん。めんぼくない」

リオンの言葉に更に申し訳なさそうな表情をするトビ
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