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儚き運命の罪と罰
プロローグ
新たな運命

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「お母さーん!リニス!こっちだよ!」

「そんなに走ると転びますよアリシアー!」

とある家族の幸せなワンシーン
それを見て女・・・プレシア・テスタロッサは微笑んでいた。
家族の温もり、平和で幸せな時間

そして何よりも・・・「今は存在しない時間」

「!」

ガバァッ、と音を立ててプレシアは跳ね起きる
彼女にとってもう何度目か知らない夢
時の庭園と呼ばれる空間内での出来事だった

「アリシア・・・」

その時を、温もりを取り戻すために女は戦っていた
感傷に浸っていたそんな時。

「なっ、何!?この魔力反応は!?」

その発生源はそのときを取り戻すためにとある少女に集めさせていた宝石・・・
世間一般に「ロストロギア・ジュエルシード」。そう呼ばれる物からだった。

「クッ、眩しい...!」

そしてその光が収まった後。

そこには少年が倒れていた。

「・・・一体何が。」

今起こった現象について思考を行おうとしたときその少年が眼に写った。

「・・・まあいいわ。誰であろうと関係のないことよ・・・。」

少年は服までずぶ濡れだった。その顔は死人のごとく白い...だがそれでも生きていた。ただこのまま放置すれば遠くない未来死に至るだろう。

「・・・まあいいわ。」

もう一度さっきと同じことを言って、プレシアは少年を自身の魔法で運ぶことにした
何よりも、尋ねたいことがあった。
・・・自分がその少年を見捨てられなかったということには気がついていなかった
尤もらしい「尋ねたいことがある」と言う理由に納得してこの少年を「救った」
目覚めぬ少年にそれを知るすべもないことだが。
その間、少年の剣はひたすらに沈黙を守っていた・・・・・・




そしてそれと同じころ。

「・・・行こう、アルフ。バルディッシュも。」

「了解」

「そうだね・・・」

運命の物語を生きた少年と、運命の名を持つ少女が出会うのはもう少し先のお話。
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