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とある星の力を使いし者
第97話
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ない。
 これはお前と対等に戦う為の武器だ。」

麻生が黒い刀身を指でなぞると黒色の刀身がなぞる指に呼応するように色が無くなっていく。
刀を片手で持つと構えをとる。
そして、麻生の身体は突然消えた。
男は後ろに視線を向け、刀を振るう。
後ろには麻生が居て、男の肩に向かって刀を振り下ろす所だった。
男の刀と麻生の刀がぶつかり合う。

「魔術や超能力による空間移動でも高速移動でもない。
 ただ単純に足の脚力だけ後ろに回った。
 だが、そんな移動は普通の人間ではできない事だ。
 お前、一体何をした?」

ギィン!!と麻生の刀を弾く。
数メートルの距離が開き、麻生は剣先を男に向ける。

「この夢幻は何かを対価にこの刀に与える事でそれに見合った力を与えてくれる破滅の刀。
 対価の価値が大きければ大きいほど、それに見合った力を与えてくれる。」

「なるほど、差し詰め自分の命を対価にしているといった所か?」

「いや、俺の命何かよりももっといい対価を払っている。」

その言葉を聞いて男は改めて疑問に感じた。
さっき魔術や超能力を使う事なく、純粋な脚力だけで男の後ろに回ったのかを。
星の力を使えば、幾らでも楽な高速移動や空間移動が出来る筈なのにあえて脚力だけで移動したのか。
少しだけ考えてみると、男はその答えにすぐに辿り着いた。

「気がついたみたいだな。
 そうだ、俺は星の力を操る権利を一時的だが、この刀の対価として払っている。
 そうする事で、俺は対価を払い続ける分だけだが普通の人間の領域を超える事が出来る。」

「なるほど、この我に具体的な弱点などが見つからなかった。
 だから、その力を敢えて捨て自身の身体能力をより向上させた訳か。
 良いぞ、良いぞ!!
 これほど我を興奮させた敵などここ数十年居らん何だ!!
 さあ、もっと我を楽しませてくれ!!」

「悪いが、俺はお前を楽しませるために戦っている訳じゃない。
 ただ、お前を全力でぶん殴る。
 その為に戦うだけだ。」

その言葉が言い終えた瞬間、麻生と男が同時に数メートルの距離を埋める。
互いが持つ刀がぶつかり合う。











「さて、どうしましょうか。」

倒れている麦野達を見下ろしながら、女性は少し考える。
なぜ、考えるかというと「体晶」に適合する人間をもっと調べてみたいからである。
その為、麦野達の処理をどうするか迷っているのだ。

「そうですね。
 では「体晶」に適合する実験体はどこですか?
 教えてくだされば、見逃して差し上げますよ。」

女性はにっこりと笑顔を作りながら言った。
麦野と絹旗はそんな提案に乗るつもりは毛頭ない。
だが、ただ一人だけそう思っていない
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