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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
とある剣士の神剣抜刀・H
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〜とあるチンピラの独白〜

碌でもねぇ人生だったな、という一言しか頭に浮かばなかった。

都会に何か特別なものがあると信じて田舎からここまで移り住み、高卒の馬鹿な学力でも稼げる仕事探して、そうこうしてるうちにいつの間にかヤクザのお仲間だった。はした金で雇われて、町のゴロツキもやらないような碌でもねぇ仕事を提供する人生。憧れも夢もありゃしねえ。将来だって見えねえし、今となっちゃあ楽しいと言えることは何一つしちゃいない。仕舞いにはなんのために生きてたのかも良く分からなくなる始末だ。

当然のように人に唾を吐きかけるような真似ばかりしながら生きてきて、気が付けばもう30歳も過ぎた。今更別の職にも着けず、ゴロツキとどっこいの生活を続ける毎日・・・そんな日々に転機が訪れたのは、やはりあの誘拐事件だろうう。あれに手を出してしまったがゆえに、俺はこんな最低な生活の更に下へ行かざるを得なくなった。

ガキを一人攫うだけの仕事。その仕事を邪魔してくれた謎の鎧。そして攫ったガキが月村の人間だった事。
月村について俺の知ることは少ない。ただ一つ、手を出してはいけないという端的な警告を除いて。その意味を、俺は直ぐに知ることになった。
仕事から逃げた俺ともう一人以外の全員が――いなくなったのだ。逮捕されたわけでもなく、である。確かにろくでなしが数人いなくなったところでニュースにはならないだろう。だが同じろくでなし共は気付く。何かがあったのだと。そして僅かな消えていない人間の口によってそれが月村に手を出した結果であるという憶測を聞くのだ。

時を同じくして、俺とそのもう一人に「だれか」によって賞金がかけられる。後はもはや言うまでもないだろう。俺ともう一人はその賞金目当てにやってくる社会のクズ共から必死で逃げ回るしかない。幸か不幸かその男とは誘拐事件の後にちょっとした交友があったため二人で協力して逃げることとなった。それも、どうやら今日ここで終わるようだ。

袋小路。突きつけられたナイフ・警棒・そしてチャカ。息も絶え絶えなもう一人の相方にたばこで肺をやられてさらに絶え絶えな俺。チェックメイトという奴だ。このそこにも行き場のない路地裏こそが文字通り俺のどん詰まりらしいことを悟らざるを得なかった。賞金を懸けられた俺達が捕まったら、後はどうなるのか。それは恐らく先に言無くなった連中と同じところへ連れて行かれるのだろう。その場所がどこかは言ってからのお楽しみ。天国?地獄?それとも生きているのが嫌になる場所かもしれない。


そんな社会に見捨てられた俺達に手を差し伸べてくれる存在が居たら、俺は神と崇めてもいい。
その時はそう思っていた。


そんなとりとめもない事を考えたその瞬間、俺達を追い詰めていたろくでなしの一人が倒れた。
続いて隣の二人。自体が呑み
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