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銀河英雄伝説〜悪夢編
第三十七話 俺って役に立つだろう
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を片付けられるはずだ、勝敗はそこで決するだろう。出来れば早く内乱を片付けたい、反乱軍が出兵を決めた以上彼らが辺境星域に攻め込んでくるのは間近だ。何時までも内乱に手を取られていては厄介な事になる。辺境にはメルカッツ提督がいるがだからと言って任せきりにするのは無責任というものだろう。

最前線のワーレン提督から貴族連合軍との接触を告げてきたのは七月十二日も半分が終わろうとする時だった。艦橋の空気が一気に緊迫した。
「ワーレン、ルックナー艦隊は当初の予定通り現在後退しております。なお貴族連合軍は十五万隻を超える模様」

“十五万隻!”彼方此方で声が上がった。皆が顔を見合わせている。私も司令長官を見た、司令長官は唖然としていたが直ぐに苦笑を浮かべた。
「少し挑発が過ぎましたか……」
「閣下、そのような事を言っている場合ではありますまい。如何します?」
落ち着いているのは頼もしいが、この緊急事態を面白がるのは後にしてもらわないと。

「ブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯は出撃していますか」
司令長官の問い掛けにオペレーターがワーレン、ルックナー艦隊に問い合わせをかけたが直ぐに不明だと答えが返ってきた。相手は十五万隻を超えている。両艦隊ともそこまでは見届けていないらしい。もっとも十五万隻を超えるとなれば二人が出撃している可能性は高い。

司令長官は少し考えていたが
「確証はないか……、已むを得ませんね」
と呟いた。
「では?」
「各艦隊に命令してください。作戦を繰り上げ、貴族連合軍を撃破します。ワーレン、ルックナー艦隊には改めて貴族連合軍を引き摺り込むようにと連絡してください」

艦橋が大きくざわめいた。司令長官の指示を受けてオペレーター達が各艦隊に作戦の繰り上げを連絡し始めた。
「総参謀長、直ちに反転攻撃の地点の特定と貴族連合軍の遁走ルートを想定してください。それと各艦隊の配置を」
「はっ」

参謀達がワーレン、ルックナー艦隊の現在位置を確認すると口々に反転攻撃の地点を言いだした。無理せずに貴族連合軍を引き摺り込めるであろう地点が反転攻撃の地点となる。そしてそこに至るまでの貴族連合軍の進撃ルートを想定する。彼らの進撃ルートがそのまま遁走ルートになる。後は各艦隊の配置地点を決定し連絡するだけだ。

三十分程で反転攻撃の地点が決まると各艦隊の配置が決まった。第一陣にロイエンタール大将、ミッターマイヤー大将、第二陣にミュラー大将、クレメンツ上級大将、第三陣にケンプ大将、ケスラー大将、第四陣にアイゼナッハ中将、ルーディッゲ中将、第五陣にビッテンフェルト中将、ファーレンハイト中将、そして我々司令長官直率艦隊はワーレン、ルックナー艦隊と共に後方から貴族連合軍を追撃する……。

ブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯が追撃に
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