暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
拠点フェイズ 3
拠点フェイズ 劉備 (桃色) 「我愛?」 
[1/16]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話




  ―― 曹操 side 陳留 ――




「おはようございます、華琳様。本日のご報告をさせていただきます」

 陳留内城の王座の間。
 ここにいるのは、我が曹操陣営の精鋭。
 私の両脇に控える曹の剣である夏侯元譲こと、春蘭。
 そして曹の弓である夏侯妙才こと、秋蘭。

 そして私の前にて跪くのは、王佐の才といわれた荀文若(じゅんぶんじゃく)こと、桂花。

 今いるこの三名こそが、私のーーこの曹孟徳の腹心中の腹心達。

「華琳様が州牧となられてから、本日でちょうど一年になります。現在のところ、陳留を始め各領地での屯田兵制度は順調に施行されています」
「そう。国庫の方はどうかしら?」
「はい。昨年に比べて国庫への歳入は倍以上になっております。歳出としての賃金を差し引いたとしても、昨年の歳入……その半分以上の上増しが確認されております」
「よろしい。今後、農地の拡大する場合は、全て屯田兵制度として行うように。歳入も増やしつつ、兵も増える……桂花、貴方の案は見事だわ」
「はっ。お褒めに預かりまして、恐悦至極です」

 桂花が頭を下げる。
 言葉の丁寧さに反して、若干紅潮しつつ息が荒い。
 どうやら興奮しているようね……ふふふ。
 今夜にでも閨にて褒美を与えなければならないかしら。

「んんっ……内政面での特筆すべきことは以上です。次に諸国の状況についてですが……北の幽州にて、暴動が起こりました」
「……そう。またなのね」
「はい。今回の原因も、劉虞の愚かな搾取によるものです。今回は農民に対してではなく、街の豪商たちの資産を奪ったようです」
「なんという愚かな……商人たちは、資金を生む潤滑油だというのに。それから強引に取り上げたら、物が動かなくなる」
「はい……今回は、商人が一丸となって暴動を起こしました。しかし……」

 桂花が、若干目を伏せがちに逡巡する。
 あら……めずらしいわね。
 この子が言い淀むなんて。

「……どうしたのかしら? 桂花、報告なさい」
「…………は。暴動は、公孫賛の手により鎮圧されました。主に説得の形式をとったようですが……劉虞は、その申し立ての場で投降した商人を火炙りにした上、その家族を奴隷にして農奴に落としたそうです」
「なっ……」

 投降した相手をだまし討ちにして、その上家族を奴隷に!?
 なんて……愚かなことを。

「このことで、領地からは大量の逃散民が出ておりまして……我が方の領地にも、逃散民が流れてきております」
「当然ね……幽州はもう終わりね。完全に人心を失ったわ。たった一年でよくもそこまで……」

 宗正である劉虞については、人が良いという評判があったけど……まさかそこまで最悪の愚物であったとは。
 
「以
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ