暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
鈴の音
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シバのその破壊的な格好に全く関心を示す様子もなく、辺りを見回しながら言った。

「凄いですね。これもあなたの魔法なのですか?」

「いや、これは買った直後からこれだった。まぁもっとも、それがこの家のセールスポイントだったのだから当たり前か」

なるほど、と二人は思う。

見た目がこじんまりとした家だって、中身が大豪邸。

ファンタジー臭溢れるALOなら、そんな家だってありそうな物だ。いや、この手の設定なら運営陣が嬉々としてやるだろう。

シバは、多少サイズが大きいシャツの裾をまったく伸ばそうともせずに、リビングの中央にどっしりと置かれている大テーブルに座る。

そして、懐というか胸元から出した大振りのハンドベルをテーブル上にコトリ、と置いた。

レンとカグラは揃ってそれを見る。

見た目はごく普通のハンドベルだ。優美な曲線を描いて純金製の鈴部分に、柄部分に赤いハンドグリップを巻いてある。

初めてお目に掛かるが、おそらくあれが彼女を《幾何学存在(ジオメトリー)》たらしめている噂の伝説武器(レジェンダリィ・ウェポン)だろう。

幻鈴(げんりん)リックル》

その音を聴いた者の視界を強制ハックし、任意の物体の視覚情報を()()()ことができる魔法効果が付与されている鈴だ。公式サイトにまで載っている、れっきとした伝説武器だ。

さて、と言う。

「聞かせて貰えるか?私の家の目と鼻の先でドンパチをやっていた理由を」

「…………」

スッ、とレンとカグラの目が細められる。

鋭さの増した視線を、《幾何学存在(ジオメトリー)》と呼ばれる女性は相変わらずの表情のない顔で受け止めた。

忘れていた。

この女がクソ真面目な顔で破天荒な行動を取るから忘れていたが、脱領者とはいえ種族的には音楽妖精(プーカ)

ケットシーとは中立を保ってはいるが、決して味方というわけではない。場合によっては、敵にも、味方にもなる。

数秒、シバの心を見透かそうと視線の深奥を探っていたレンだったが、ふぅと一度だけ吐息を吐いて、気遣わしげにこちらにチラチラ視線を投げかけてきているカグラを視界の端に捉えながら、どこか諦めたように口を開いた。

「何でもない、ただの昔の知り合いと手合わせしただけだよ」

嘘は言っていない………はずだ。

あの三人────ウィルヘイム、リョロウ、セイはSAO時代からの顔見知りだし、やっていたのはその実ただのコロシアイだが、かなりオブラードに包めば手合わせと言えなくもない。

ふぅ〜ん、とシバは解かっているようで解かっていないような曖昧な返事をすると、向かいの椅子を指差し、座ったら?とだけ言った。

その言葉に甘えて、彼女と向き合うように座ったレ
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