暁 〜小説投稿サイト〜
IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第十三話『輝く世界へ』
[1/7]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話

――次の日の朝

「……う〜、眠いよぉ〜……」
眠気眼(ねむけまなこ)で呆けながら、布仏本音は自分のベットから起き上がってきた。
「あのあと、遅くまでゲームしているからだろ。ほら、そろそろ飯にしないと間に合わないぞ」
目を擦りながらふらふらとしている本音に対して、俺は呆れたながら注意した。
とりあえず、こりゃ今日も俺の朝飯当番は決定だな……。
「しゅうや〜ん、おんぶ〜……」
そう思ってキッチンスペースに向かおうとする俺に、小さい子供のようなことを言いだす本音。
「自分の足で歩け……って、言ってる最中に寄りかかるな、本音!?」
これにも呆れて注意しようとした矢先、本音が俺の背後に寄り掛かるようにして乗っかってくる。
……ってか首に抱き付くな、胸も背中にあたってるからな!?
仕方なくリビングスペースのクローゼットの前まで本音を引っ張っていき、すぐに身支度を整えるように彼女に言った。
彼女が支度を済ませているであろう内に、俺は昨日の晩に仕込んだ朝飯を完成させに向かった。
今日のメニューは、白菜と油揚げの味噌汁と冷凍しておいたジャーの白飯、そして厚焼き玉子にキュウリの浅漬けだ。
時間にして20分ほど、のそのそと眠たげに歩きながら身支度を終えた本音が、リビングスペースの共用テーブルに着いた。
「いただきます」
「いただ…き…まぁ……」
本音と向い合せに座りがら、俺は少し時間を気にしつつ朝飯を口に運んでいく。
本音はと言うと、まだしゃっきりしないのか、俺がときどき声をかけないと、箸を持ったまま寝そうで心臓に悪い……。
それでも飯粒どころか、味噌汁の一滴すら残さず平らげてくれるのは、作っている人間としては気分が良い。
「ごちそ…さま……」
彼女が寝言のようなごちそうさまを聞き、俺は素早く食器を下げてキッチンの流しの水に浸け、登校の準備にかかる。
本音と同室になって一週間、ほぼこの調子である。
俺は朝から基礎修練をするから、最低でも5時半までには目を覚まして活動を始める。
そこから寮の玄関が開く時間を見計らって走り込みに出かけ、そのまま素振りを終え、シャワーで汗を流してから本音を起こす。
起こすといっても、やっているのは完全に力技だ。まず声をかけ、次に肩をゆすり、三つ目に身体全体を揺らし、最後に掛け布団をひきはがしてハリセンを見舞う。これで1セット。三日前はこれを3セット繰り返し、それでも起きなかったことがあった。
本音曰く、これでも中学時代より全然朝が早くなったというのだから、以前はどれだけだったのやら……。
次の部屋割り変更で、コイツと一緒になるルームメイトの苦労を思い、俺は心の中で手を合わせてそいつのことを憐れみたくなった。

――コンコン

そんな余計なことを考えていると、隣人からのノックが部屋に
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ