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IS 〈インフィニット・ストラトス〉〜可能性の翼〜
第一章『セシリア・オルコット』
第八話『蒼空舞う風獅子の翼・後編』
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セシリアがビットを放つのを見ると同時に、修夜はバーニアを目いっぱい噴かして急加速に入る。――その瞬間、火の入ったバーニアは空気を叩きつけるような炸裂音とともに修夜を上空高く押し上げる。
見るみる内に高度を上げる修夜だが、ふと上空1000mも行ったところでしりすぼみに止まった。
「――――っぱあ!!」
《だ……大丈夫、マスター…?》
「やっべ……、ゼファーと同じ感じで思わず飛ばしてみたけど、コイツは上がりすぎだろ……」
先ほどまでゼファーの汎用的な加速で、ブルー・ティアーズの攻撃をギリギリで避けていた修夜は、その感覚をソニックで出してしまった。結果、本来ならあっさりと避けるだけの予定が勢い余って地上1000m上空まで到達してしまったわけである。
「一応…、アリーナの円周からは飛び出てないよな……?」
《飛び上がったときの角度のおかげで、位置的には観客席ギリギリだよ…!》
それを聞いて胸を撫で下ろすとともに、修夜は改めてソニックの加速性に武者振るいを覚える。
「すっげー……、凄すぎるだろ拓海……蒼羽技研のみんなも……!!」
これなら、本当に何処までも飛んでいける気がする。その抑えきれない感動と興奮が、修夜の“夢”への希望を大きく刺激する。
《ま…、マスター、とりあえず試合に戻らないと……!》
明後日の方向に思いを巡らしかけた修夜は、小さな相棒の忠告に我に返る。今はじゃれているような場合じゃない、自分を落ちつかせるよう一度深く呼吸をすると、眼下に小さく見えるアリーナ・ステージを見下ろした。
「……すまない、悪かった。シルフィ、アレを頼む!」
《まかせて! 汎用射程リニアライフル《イーグルハンター》、現出|《セットアップ》!!》
戦いへと完全に思考を切り替え、シルフィの呼び出し|《コール》によって取りだされた大振りな銃を手に取る。
「もう一度仕切り直しだ、行こうか、シルフィ!!」
《オーケー、いこうマスター!!》
そう言い合うと、俺達は眼下でこちらを見上げているはずのオルコットを目指して垂直に降下していく。

――――

一方、ピット内のモニターに映し出された光景に、拓海以外の全員が呆然としていた。
拓海はというと、モニターから流れてくる映像を嬉々として取り込みながらデータの収集に入っている。
「なに……あれ……」
真耶は呆気にとられながらも、どうにかまず声を出して現状を問うてみた。
「ISが……変わった……」
「修夜が……凄まじい速度で飛んで行った……」
「なんなんだ……この状況は……」
残る三人も、とりあえず正直な感想を口に出してみるのだった。
とりあえず目の前の不思議現象にどうに納得しようと試みるも、あまりの衝撃に三人ともが思考回路に不備を起こしていた。
「た…拓……じゃないな、相沢主任、さっきのは
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