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蒼穹を翔る運命の翼
PHASE-01 「会敵」
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「状況は見ての通りだ」
 いつものスーツ姿で私はモニターに表示された、未確認の兵器を指す。当然、私にもアレの正体は見当もつかない。
 緊急召集によるブリーフィングで、部屋の中の緊張感は際限なく高まっていた。
「現場での指揮は山田先生。専用機持ちが居ない現在、ここに集められたのは成績上位の新二年だ。各自、訓練機を装備の上、現場に急行。目標を確保せよ。実弾の使用は許可を得ている」
 事態が事態故に、何があるか想像もつかない。それでも、緊急の職員会議から十分、ブリーフィングを開くまでの間に実弾使用の許可を得ることが出来たのは、僥倖だった。
 学内に突如出現した巨大兵器。目的は不明だが、迅速に対応する必要がある。
 このIS学園はあらゆる干渉をアラスカ条約により禁止されているが、逆に言うならば外部に救援を求めることが出来ない。
 特例を認めては、学園その物の存続が危ぶまれる事から、学内の人員のみで対処をしなければならないのだが、専用機持ちの生徒は現在、帰省中である。
 新二年の専用機持ちである為、母国での仕事もあるであろうことは容易に想像でき、やむを得ない状況であることから、成績上位の生徒を緊急召集した。
 だが、学生のヒヨッコ共だけで、果たして大丈夫なのかは不安が残る。それが例え専用機持ちであったとしても……だが。
 いかに専門教育を受けていようが、学生は学生。万が一ということもある。
「私もすぐに現場に向かう。それまでは勝手な行動は慎むように。山田先生の指示に従い、冷静に行動せよ」
 損傷状態と見て取れるが、それでもあの兵器の正体が一切不明である以上、何が起こるか分からない。
「以上だ、解散」



  ◇



「何の施設だ?」
 建物に近付いたシンは、周囲から建造物の様子を確認していた。
 当然の如く、施設は施錠されており内部には入れない。照明も落とされている上、人影も見えない事から、夜は夜でも深夜なのだろうか?
「……時刻を確認してなかったな」
 シンは、己の不注意を悔やんだ。時間の確認をしていれば深夜だと分かっていたかもしれなかったからだ。
「見た感じ、放棄された施設じゃなさそうだし、こうも人が居ないってことは確定かもな」
 とは言え、ザフトの軍服を着ている以上、人と出会せば面倒がある。
 逆にラッキーかもな、とシンは思った。
「仕方ないか。とんだ無駄足だったけど、<インパルス>の所まで戻るか」
 夜が明けるまで、どうしようもない為、踵を返し機体の元に向かおうとした……のだが。
「なんだ…アレ」
 <インパルス>の付近に、浮遊する物があった。MSにしては小さ過ぎ、ジェットパックを背負った人にしては大きすぎる。
 ―――救助ではない。
 直感で感じた。救助なら<インパルス>の通信機と連動さ
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