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IS 〈インフィニット・ストラトス〉×トリコ 食を探求する夏の毒!
帰還
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一夏は右に箒、左肩に銀の福音の操縦者らしき女性を担ぎながら海上を進んでいた。が、時々ふらついた動きを見せており、疲労してるのが目に見えていた。稀に頭を過る箒を捨てようかという考えを本気で検討したりと思考能力が鈍化している。

「それにさっきのはいったい何だったんだ…」

一夏はよいこらっと箒を担ぎ直しながら先の戦闘中の不思議な感覚の事を思い出す。妙に感覚が冴え渡り、全てがクリアに視認出来て尚且つ今までに無い位にハッキリと感じる事が出来た感じ。一夏はあの時の力がどうして発揮出来たのか不思議でしょうがなかった。考えられるのは死を覚悟したからだろうか?

「嫌々…俺が今まで何回死を覚悟した事か…数えるのを…ぅぅぅ」

…そうだった、この男は兄と親父からとんでもない回数殺されかけている。もし死を覚悟する事が先程の力の発動条件ならもう何度も発動している筈。っというか、龍神兄姉弟の中で一番死に掛けているのは一夏だったりする。

兄の相棒と手合わせしている時に死に掛け、兄と組み手中に兄の手によって三途の川を渡りかけて強制的に川から救出されて再び川送りの繰り返し。父からは修行という名の拷問を強いられ一日に43回川を渡りかけている。思い出すだけで震えが止まらなくなる

そんな事を考えていると、砂浜へと到着する。そこには専用機持ち達と教師陣、そして何故、優奈とココの姿があった。一夏は砂浜に着地すると箒と福音の操縦者を下ろして、膝を折って砂浜に手を着いて疲労を露にする。それをみた優奈とココはすぐさま駆け寄ってくる。

「一夏!大丈夫!?」
「大丈夫かい一夏君!!」
「あ、ああ…なんとか、あんの小娘が…。人の足ばかり引っ張りやがって…」
「あちゃ〜…」

一夏の言葉を聞いた束は予想通りといわんばかりに手を顔にやって溜息をつく。

「独断先行にフレンドリーファイア、止めに気絶して俺の邪魔しやがって…。おかげで俺は役立たずの小娘っていう拘束具のせいで自由に戦えなかった。ふざけやがって…」

一夏はここに肩を貸して貰った立ち上がり、千冬とモニカを睨みつける。

「最初から俺に任せりゃ良かったんだよ、それにな。幾ら高性能なものがあってもそれを使いこなせなきゃ意味はねぇんだよ糞教師、今日受け取ったばかりの奴がいきなり実践投入で功績でも挙げられると思ってるのか?それは超一流の奴だけの話だ」

一夏は凄まじい殺気を剥き出しにして千冬とモニカを睨む、千冬とモニカは今まで感じた事もないリアルな死のイメージを感じ取ってしまった。自分はただ捕食されるだけの哀れな存在。目の前に居るのは圧倒的な捕食者、自然の摂理のようなイメージが流れ込んできた。

「で、ですが今回の事は紅椿の性能の高さを考慮した上で決定ですし、貴方だって納得したじゃないですか!!」
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