第三十三話『暴走〜互いの思い〜』
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ラウラ! ぐっ!!」
「くっ! うわぁあ!!」
突如として叫び声を上げたラウラから放たれた強い衝撃に、スウェンと一夏は吹き飛ばされ地上へと叩きつけられ、ISが強制解除された。箒は一夏達の下に駆け寄る。
「一夏! 大丈夫か!?」
「あ、ああ……」
「ラウラに一体何が……」
スウェンはラウラの方を見ると、その光景に目を疑った。
レーゲンの装甲は液体のような形状になり、まるで意思を持ったように動き始めラウラを完全に覆ってしまいまた違う形状へと変わった。スウェンはこれが何なのか、遅れてから理解できた。しかも、最悪な状況であると。
「……“VTシステム”」
「VTシステム?」
そう一夏が問うと、スウェンは静かに頷く。
「VTシステム。正式名称はヴァルキリー・トレース・システム。過去のモンド・グロッソの部門受賞者の動きをトレースするシステムであり、現在アラスカ条約でどの国家・組織・企業においても研究、開発、使用全てが禁止されている物だ」
「そんなものがあいつのISに……ッ!?」
それは先程の人型とは言い難い形状から、完全なる人型へと、全身装甲のISへと変化しておいた。一夏はその姿を見て驚愕する。
「あれは……雪片!?」
「何?」
目の前の存在に握られている刀状のブレード。スウェンも一度見た事がある、間違いなくその形状は過去に千冬が振るっていた雪片と同じ形状をしていた。
「くっ……このぉおおお!!!!」
「待て! 織斑!」
突然一夏が走り出す。スウェンは一夏の腕を掴み静止の言葉を掛ける。
「スウェン離せ! あいつ、ふざけやがって!!」
「待てと言っている。もう一度見てみろ」
「え?」
ふと我に返り、一夏はそちらを向く。そのISは急にもがき、再び形状を変えていく。特徴的な頭部に、四本のアンテナ、そして先程の装甲とは違い、無機質な装甲へと変わっていく。
「あれって……」
「……ああ」
次にその姿になったときは、スウェンは直ぐにそれが何なのか理解できた。
「ストライクか」
そう、漆黒のISの姿はストライクの形状に変化していたのだ。スウェンは残ったエネルギー残量を確認する。
「まだ戦える」
スウェンはストライクEを展開し、レーゲンストライカーを装備しようとするが
「……レーゲンストライカーは今は使えないか。酷使してすまなかったな」
先程の衝撃で使用不可になってしまったレーゲンストライカーに向けてそう言い、ノワールストライカーを装備する。そして一夏に持たせていたフラガラッハが地面に突き刺さっており、スウェンは
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ