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暗子(アンコ)と明子(メイコ)の場合

[8]前話



俺は今、悩みに悩んでいる。


腕にかかったカゴには
大量のお菓子

そして


右手にはガム 左手には飴玉


『どっちにするか、、、今世紀最大の悩みだ、、』



「ガムだったら
 いっぱい口のなかにいるよー?」


ひょっこりと脇から出てきたのは
青いワンピース、油美だ


「ですが、味の長続きでしたら
 飴のほうが宜しいかと思いますが」


『油美はガムで水希(ミズキ)は飴か』


水希と呼ばれた女の子は
油美と変わらないくらいの年頃だが

着物のと口調のせいか
幾分 年上にも思える


『分かった。


 両方買えばいいんじゃないか!』



世紀の大発見と言わんとばかりに
意気揚々と 菓子で溢れたカゴへ投入した


周りの子供は いいなぁと
ツクバのカゴを見て 目を輝かせている



「ツーくん
 油美はねーアイスがいー」


「ツクバ
 私は小倉最中をお願いしたい」


『はいはい。
 カゴ入れてーって、
 相変わらず水希はチョイスが渋いな』


3人はお菓子を入れすぎて取っ手が使えず
抱えるようにしてレジに持っていく



「いつもよく買ってくわねぇ
 有難いわ、また来てちょうだいね」


精算が終わり
日に焼けて色あせた暖簾(のれん)をくぐる



『さて、我が家に帰りますかぁ〜』











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