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Cross story The end of world...
つかの間の休息
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「未知なる珍味。《スカベンジトードの肉》、だ」






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腹が減っては戦が出来ぬ。

昔の人々は上手いことを言ったものだ。一層の地下ダンジョンで入手したあの肉を俺は結局食べず仕舞いにゲームを終えた。
理由は料理スキルを取っていなかった、こんな時に頼りになるシェフ(アスナ)は調理する事を断固拒否した等があげられるが、俺自身がキリトほど食の探求者(チャレンジャー)でなかった事もある。

茶腹も一時、という言葉もある。

幸いな事にゲツガが持っていた道具で緑茶くらいは飲めるのだ。下手したら死にかねない食物を食べるよりかは良い。だが、近代の先人はこんな言葉も残している。『空腹は最高のソース』、と。

現在ゲツガは心底疑わしげな視線を肉焼き器にセットしたカエル肉に注いでいる。数は全部で4つ、1人1つずつだ。

「「「「………………」」」」

しばらくして焼きあがったものをそれぞれ手に持つと、見た目は実に美味そうなそれをじっと見つめる。熟練料理人のゲツガの焼いたそれは香ばしい匂いを放ち、生のときにした何とも言えぬ泥臭さは無い。
鶏肉のようにこんがり焼けた茶色の表面は薄暗いこの部屋でもしっかりと光沢がある。

だが、元がアレである。ガブリと行くのはかなり勇気が必要だ。

「……やっぱりここはせーの、でいくか」
「……まあ、焼いてしまったのは食べるしかないな」
「……ゲツガにーちゃん、信じてるよ」
「待て、もしもの時は俺のせいなのか!?」

神妙な空気の中俺達は徐々にブツと口の距離を縮めていき、やがて一斉にかぶりついた。

焼かれてもなお残る生臭さ、強靭な筋繊維のような堅い筋、今まで経験した事の無いバイオレンスな味わいとそのゴムのようなしつこい堅さが絶妙なハーモニーを―――


「「「「………………」」」」


ブツを口から取り出すと、4人は無言のままその場に倒れた。






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幸いな事に目覚めは穏やかなものだった。焼いた肉は耐久値がなくなったのか消え去っていた。

視界の右端に表示されているHPはどうゆう訳か7割程残っていた筈が6割りを割っている。
しかしふと気づけば腹の虫もいつの間にか収まっている。つまり、

「……腹が減りすぎてHP減少に還元され、代わりに体の不調が治ったってことか」

体の不調(ダメージ)扱いは少し分からない事もあるが、それで問題が起きたわけではないため、ポーチからポーションを取り出すとそれ
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