ミランダ警告
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「なんだ、お前」
田町が男に気づいて
殴る手を止めた
『まぁまぁそのまま、そのまま
ちょいと君の体見せてもらうな』
首にかけていた
ごついゴーグルをかけると
舐めるように
じっくりと田町を観察する
男に注意が逸れたことで
周りの男たちは散り散りに公園から逃げていく
お爺さんの姿も
いつの間にか消えていた
『だいぶ侵食されてんなぁ』
何かを呟きながら
顎の無精髭を 指の腹で撫でている姿を見て
ふと場違いな光景が目に浮かんだ
アレだ、親戚のおじさんが異様にテンション高くして
顎でジョリジョリしてくる あの髭に酷似している
しばらく観察すると
ゴーグルを外して 元の場所に下ろした
『さーて、お仕事しますか
えー、、今から私は君へ危害を与えますが
君は身を守る権利があります
よって抵抗しても問題はありません
ですが抵抗すればするほど
こちらも手段は選びませんのでご了承下さい
ってことで、今より分離作業を始めまーす』
まるで権利の告知のような台詞を吐くと
これまた物騒なワード
「分離作業？」
田町も
ただならぬ何かを感じたのか
男に向かって身構えた
・
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