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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
破滅の抜け道 D
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「じゃあ、私からの試練は百詩篇でいくね、お兄さん。」
「俺の百鬼が、全部退けて見せるよ。」

一輝は獅子王を抜き、白い和服姿の陰陽師モードになる。

それを確認したヤシロは、両手を広げると、どこかの言葉を唱える。

「 La grand’etoille par sept jours brulera,(巨星が七日間燃え続け)
  Nuee fera deux soleils apparoir:(雲が二重の太陽現すだろう)
  Le gros mastin toute nuit hurlera,(獰猛な巨犬が夜通し吠え)
  Quand grand pontife changera de terroir.(法王が大地を変えるとき――)

ヤシロの詩が終わると、ヤシロの両脇に巨大な黒い犬が現れる。
一輝たちはそれを敵だと判断するが、その考えは数秒で塗り替えられる。

「あれは・・・火?」
「いや、火では有るんだろうけど・・・」
「あれはそれよりも・・・」
「太陽が二つ出来た、というのが近いでしょうね。」

実際に太陽が出来たわけではないが、スレイブがそういうのも納得できるものが現れた。

「星を二日間燃やすことの出来る炎、お兄さん達はどう防ぐのかな?」

二つの擬似太陽から大量の炎が放たれ始める。

「で?何か策はあるの?」
「まあ、あれが炎なら、エキスパートがいる。」
「呼び出して、素直に言うことを聞いてくれるのですか?」
「?伝説級でもないし、大丈夫だろ。」

あれだけの炎を伝説でもなんでもないのが防げるのか?三人の目はそう語っていたが、一輝は単体で呼ぶための、簡単な言霊を唱える。

「我が百鬼より出でよ、火取魔!」

超簡単だな、オイ。伝説との扱いが違いすぎるだろ。
《まあ、所詮は民間伝承レベルだし。》
だからってオマ・・・って、こっちに入ってくるな!
《では気を取り直して続きへ。》
クソッ・・・

コホン。一輝の中から黒い霧が少量出てきて固まり、一塊の暗闇が出来る。
霊格はかなりしょぼい。ガルド以下である。

「そんなやつで大丈夫なの?」
「失礼ながら、たいした霊格を感じられません。」
「それに、小さいですし・・・」

こんな会話をしているうちにも、周りは燃えているのだが・・・自覚はあるんだろうか?

「まあ見てなって。・・・喰らえ、火取魔。」

一輝の命令に従って、ただでさえ小さな暗闇が分裂し、全ての炎へと向かい、たどり着くと・・・

同時に、全ての光が消えた。

「へえ・・・まさかなあんな子がここまで出来るとは、思ってなかったよ。」
「確かに、あいつは実体もないし弱いけど、それでも長所の一つぐらいはあるからな。」

一輝とヤシ
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