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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
破滅の抜け道 B
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時間は少し戻り、場所も変わる。
音央と鳴央は二人で破滅の物語と対峙していた。
一輝に言われた、ではなく、二人がこれが一番いいと判断しての行動である。

「さて、さっさと片付けるわよ、鳴央!」
「ええ、音央ちゃん!」

気合を入れる二人の前には、様々な破滅がいた。

まったく同じ姿をした大量の殺人鬼、“複製殺人鬼(クローン・マーダー)”。
悪魔のような容姿で生まれ、悪魔になってしまった少女、“13番目のリーズ(リーズ・サーティーン)”。
科学の力で現代に復活した肉食恐竜、“復活恐竜(ミュータントレックス)”。
ハロウィンの日に毒入りの菓子を配り、子供を殺す“お菓子配り(ハロウィン・サディスト)”。

音央は一番何も出来なさそうなお菓子配りを茨で縛り上げ、鳴央があけた穴に落とす。
お菓子配りが何の抵抗もせずに落ちていき、二人は固まるが、特に何か出来るやつではないので仕方がない。

「何か拍子抜けね・・・まあいいわ。私はあの人っぽいのを担当でいい?」

そのおかげでこんな冷静な判断が出来ているのだから、もうけものだろう。

「・・・あ、はい。それでいきましょう。」

どうするか決まったので、音央は殺人鬼の集団のほうに向かい、鳴央は恐竜と悪魔のほうを向く。



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「スリーピングビューティー!」

スパッ、ザクッ、タァン。

音央が茨を放つが、殺人鬼たちはそんな効果音を立てながら、茨を切ったり、茨にナイフをさして止めたり、銃で撃って破壊したりして防ぐ。
中には防ぎながら銃を撃ってくるのもいるので、これまた音央とは相性が悪い。
やりづらい敵だ。

「あーもう!何で当たらない連中ばっかりなのよ!」

その無意味っぷりに、自分でキレた。
本人も混乱しているのかもしれない。

「はあ・・・よし、一回すっきりした!当たらないなら・・・」

そうでもなかったようで、音央は何らかの作戦を実行する。
それは・・・その場を動かない、というものだった。

もちろん、殺人鬼がその隙を見逃すわけがなく、銃で狙ってきたり、刀で切りかかってきたりする。
だが、音央は動かず、タイミングを待つ。
ほんの一秒待つと、音央は口を開き、この状況を突破する策を実行する。

「『真夏の夜の夢(ミッドサマー・ナイトドリーム)』!」

瞬間、一番遠くにいた殺人鬼の位置と音央の位置が入れ替わる。
そうなれば、入れ替わった殺人鬼は切りかかってきた殺人鬼に殺され、切りかかった殺人鬼は、一瞬の動揺の隙に銃弾を受けて死ぬ。

それと同時進行する形で、音央はすぐそばにいる殺人鬼の腕をつかみ、別の殺人鬼にぶつける。
二人はぶつかって倒れたので、運よく落として
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