暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第三八幕 「サルース・ルーメン」
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
前回のあらすじ:涙で霞む空に降臨した光の御子(病弱)


〜前話より少し前の事〜

“モナルカ”の待機形態である髪留めを見つめながら、ベルーナはひたすら迷っていた。
すなわち、この髪留めを髪留めとして使うかどうかである。ベルーナは生まれてこの方髪留めなどつけたことがないだけに、つけるべきか別の方法で持ち運ぶべきかをずっと悩む。髪留めは10cmほどの比較的大きめな幅であり、どうもポケットやカバンに入れるには不便そうだ。
となるとやはり最も自然なのが、そのままの用途で髪を留めるのに使うことだ。

ベルーナは少し迷った後、どうせISに乗れるようになれば付けることになるからと髪留めをつけることにした。

「・・・変じゃない、かな?」

慣れない手つきで恐る恐る左の側頭部辺りに留める。お洒落に頓着が無いせいか、鏡を見てもちゃんとできているか全く判別がつかない。ちょっと情けない気分になったベルーナはため息を吐いて鏡に背を向けた。

「・・・後でミノリに見てもらえばいいや」

自分で判別がつかない以上は他人に評価してもらうしかないと考えたベルーナは、この問題をいったん置いておくことにした。それよりも今問題なのは別の事だ。

それは、ベルーナの着る制服である。
リハビリのせいで全身汗だくになってしまったベルーナは制服を洗うことにしたのだが、そこで大きなミスを犯したことに気付く。ベルーナは普段着る制服以外に予備の制服を一着持っていのだが、今日は汚れた制服を洗い忘れたせいで予備の制服を着ていたのだ。つまり予備諸共汚してしまったベルーナは現在着る制服がない。

これが女子生徒ならば保健室に置いてある貸出の制服を使えるのだが、男性用の制服は全てが特注品のため予備が存在しない。そして都合の悪い事は重なるもの。ベルーナの唯一の私服も同時に洗濯をし忘れており、着るものがないのだ。

―――失敗した。ジャージか何かを用意しておけばよかった。そう考えるも後の祭りである。
一応もう1着だけ服があるのだが、それは親友たちが面白半分に渡した女物の服だった。無理して制服で過ごそうかとも思ったが、染み込んだ汗と冷房の風も相まって凍えそうなほど体を冷えさせたベルーナにはとてもその気にはなれなかった。(今はシャワーを浴びたので体温は元に戻っている)

「・・・・・・仕方ない。服を洗って乾燥させている間だけ、あれを着るしかない」

とにかく服を洗うために洗濯部屋へと向かおう。この学園の洗濯機は乾燥機能付きな上に異常なまでに性能がいいから洗うこと自体にはあまり時間がかからないはずだ。一応佐藤さんに頼むという方法もないではないが、ベルーナは彼女の電話番号を知らない上にあまり人に手間を掛けさせたくないために止めた。何よりこれから自分のする格好を、可能な限り
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ