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ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
マザーズロザリオ編
episode2 はじめてのしゅらば
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…シウネーさん達は、特に(・・)、な。……それと同じように、こっちにも特別な事情があるんだよ。絶対に譲れない、『特別な事情』が、ね。……だから、」

 柄にもなくいいことを語ろうとした、その時。

 「たっだいまーっ! シドくんっ、今日は帰ってきてるんだねーっ!」

 いい衝撃音を立てて空いたドアから、聞きなれた明るい声が聞こえた。





 「シドくんっ、へっ!?」

 パタパタと羽ばたいた水色の小さな妖精、チビソラが、倉庫の中の様子を見て一瞬目を見開き、

 「し、シドくんがっ、家に女の人を連れ込んでいるーっっっ!!?」
 「お、ちょ、ちがうっっ!!! 待てっ、皆に知らせに行くな、おいっ!?」

 必死に捕まえようとする俺の手を巧みに掻い潜って、ホーム中に響き渡る声を上げた。ポカンとしたシウネーさんを置いて必死に追いかけるが、もう既にその声は皆の耳にしっかりと入っていた。ロビーにでた俺を迎えたのは、

 「い、いや、それは誤解で、その、」

 なまあたたかーい皆の視線だった。
 嫌なことに、ALO組全員集合だ。

 誰からも沈黙を破れない、絶妙に微妙な緊迫感。その静寂を破ったのは。

 「シドさんの、パーティーの皆さんですか? はじめまして、シウネーと言います」

 およそ予想される、最悪のパターンの人物だった。

 這うようにロビーに転がり出た俺の後ろに立ったシウネーさんが、いかにも癒しの妖精然とした微笑みを湛えて穏やかに一礼、顔を上げて皆を見回す。一斉に彼女に集まる視線。その意味が良く分かっていないのか、笑顔のまま困ったように首を傾けるシウネーさん。

 「とっ、年上だっ! 美人だっ! 癒し系だーっ!!!」

 チビソラ、お前はちょっと黙れ。

 「し、シドさん、お、女の人を連れ込むっ、て、そ、そのっ、あの、」

 モモカまでいるじゃねえか、お子様はちょっと早めに落ちたほうがいいんじゃないかな、こんな場面は流石にお子様にはちょっと刺激が強いだろう。てか、なんで明らかに一定の理解を示してんだこの子。芸能界のモラルはどうなってんだコラ。

 「……こういったれでぃーが、好み……」
 「レミ、悪乗りすんなぁっ! てか、悪乗りだよな、素じゃないよなっ!?」
 「ちっさい子じゃダメなんだーっ! 私はストライクゾーン外だーっ!」
 「チビソラ、てめーはちっさい以前の問題だろうが、ミニマム妖精!」

 本気か嘘かジト目を向けるレミ。いや、ウソだよな? ウソだといってくれなんか不安になるだろうその視線は。そしてそのレミの頭上に陣取ったチビソラ、せめてそのセリフは人間形態の状態で言え、手乗りサイズは流石に論外だ。そして今はちょっと黙れ。

 「い、いや、シドさんだっ
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