暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第七十六話 始まる暴走
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事のない眠りのうちに、終わりなき夢を見る。
 生と死の狭間の夢。
 それは永遠だ」
「永遠なんてないよ。
 皆変わっていく
 変わっていかなきゃ、いけないんだ。
 私も貴方も」

 静かに闇の書を真っ直ぐを見つめるなのは。

 先ほどあった手のわずかな震えはもう止まっていた。

 三対一から一対一。

 人数的に有利な状況から一対一という厳しい状況。

 それでもなのはの目は死んでいない。
 空が飛べないとはいえ士郎でも苦戦した相手。
 苦しい戦いになるのはわかっていた。

 でもただ大切な人を、闇の書を救う覚悟がそこにはあった。

「行くよ、レイジングハート!」
「All right, my master」

 なのはは想いに応える自身の愛機と共に空を舞いあがる。




side フェイト

 まどろみの様な意識がゆっくりと浮上する。

 感じるの柔らかな日差し。

 ゆっくりと瞼をあけて体を起こす。

 見覚えのない部屋に柔らかなベット。

 なんで私はここで眠っているんだろう。
 今私が置かれている状況が理解できない。

 そんな私の横で布団がゆっくり上下している。
 耳を澄ませば、聞える寝息。

 仔犬フォームのアルフと私と同じ長い金色の髪。
 起こさないように少し顔を覗き込むと

「え?」

 いるはずのない私と同じ顔の女の子。
 心臓の鼓動が大きくなる。

 大きく息を吐いて自分を落ち着かせて、部屋を見渡す。
 天井に星が描かれたドーム状の部屋。

「……ここは」

 知っているけど知らない部屋。
 夢の中で、記憶の中で見た事がある隣で眠る子の部屋。

 一体なんで私はここに居るんだろう。
 何が起きたのかわからず困惑する中で、部屋がノックされた。

「フェイト、アリシア、アルフ、朝ですよ」

 この声。

 忘れるはずがない。
 今はいない私の大切な人の声。

 そして、その声に反応するようにどこか眠たそうに隣の女の子が目を覚ました。

「おはよう、フェイト」

 私と同じ声。
 でも私とは少し違うゆっくりとした話し方。

「皆、ちゃんと起きてますか?」

 私が女の子の挨拶に呆然としている間に部屋の扉は開き、懐かしい声の人が入って来る。

 隣の女の子とアルフと言葉をかわすけど、頭が追いつかない。

「リニス?」
「はい、何ですか? フェイト」
「アリシア?」
「ん?」

 私の呼ぶ声に不思議そうに首を傾げながら私を見つめ返す二人。

 私に色々な事を教えてくれたリニス。
 記憶にあっても話す事も出来なかった私のお姉ちゃんのアリシア。

 もういない二人
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