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銀河英雄伝説〜生まれ変わりのアレス〜
学校長の思惑
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面倒が増えたとしか思えない。
「三次元チェスも戦術シミュレーターも負けなしなのに、アレスは随分嫌うよね」
「ああ。君にはあのフォークでも勝てない。それは喜んで良いと思うが?」
「所詮はゲームだろう。それで勝ったところで、何の喜びもないんだが」
「そう? 僕は模擬でも勝てれば嬉しいけど」
「なら、全国民に戦術シミュレーターをさせて、一番優れている人間を司令官にすればいいだろう。あるいは三次元チェスの同盟大会優勝者を登用すればいい。それで、戦争に勝てるならな」

 それはという表情をするスーンとフェーガンに、アレスは小さく首を振った。
「それが無駄だと思っているのであれば、正常だ。ただ、問題はそれをわかってないない人間が多すぎる――学生ならばともかく、お偉方にもな」
「それなら、そんな意見出さなきゃよかったのに」
「採用されないと思ったからな」
「嬉しくはないのか?」

「……下手なことをして、歴史が変わると困る」
「どういうことだ?」
「別に……大したことじゃないさ」
 憮然と口に出せば、スールとフェーガンは互いに顔を見合わせて苦笑した。
「また始まった。アレスの歴史講義――それなら、戦略研究科何て選ばなければ良かったのに」
「戦史研究科は廃止されたからな」
「それでも他に艦隊運用科とかあったでしょう」

「君達は俺が運転する車に乗りたいか?」
「ちょっと勘弁だなぁ」
「だろう?」
「でも、得意なら得意で喜んだ方がいいと思うよ。ほら、賭け三次元チェスで随分儲けてるみたいだし?」
「人聞きが悪いな。別に賭けているわけじゃない。あまりにも挑戦者が多いから、参加料として相手が負けたら、金を貰っているだけだ」

「でも、アレスが負けたら倍の参加料を渡すんでしょう?」
「まだ負けたことがないからこちらからは払った事はない」
「その時点で賭けは成立はしていると思うんだけど……で。アレスは誰だったのさ?」
 その言葉に、アレスは顔をしかめた。
 戦術シミュレーター大会に伴い、それぞれ自動的に組みわけが割り振られる。

 総司令官の部下となる人間が決まるわけだ。
 つまり、アレスが書いたところの馬鹿な上司が上に来るわけだが。
「マルコム・ワイドボーン」
 それは、学生時代は十年来の天才と呼ばれ、そして原作では馬鹿な上司の典型として語られた人物であった。



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