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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百六十話  名簿
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って欲しいと言っているのです。失態を隠す為ではありません、司令長官の負担を少しでも軽くしたい、それだけなのです」
だから卿は見過ごすというのか……。

「報告はするのだな」
「はい」
「成果が出なくても?」
「必ず」
「……分かった、私も待とう」
キスリングが頭を下げた。困った奴らだ。

「キスリング少将、私も卿に伝える事が有る」
「はっ」
「先日、陛下より御言葉が有った。今回の地球教の一件、陛下は酷く御心を痛めておいでだ」
「……」

「陛下からの御指図を伝える、謹め」
「はっ、謹んで承ります」
キスリングが姿勢を正した。
「地球教、フェザーン、いずれもゴールデンバウム王朝が生み出した汚点である。ヴァレンシュタイン司令長官に協力しこれを必ず抹殺せよ、決してその存続を許してはならぬとの仰せだ」
「はっ」

「そして今一つの御指図を伝える。ヴァレンシュタイン司令長官を護れとの仰せであった。良いな」
「はっ、必ずや御意に従いまする」
「うむ、広域捜査局とも連携し必ずその任を果たせ」
「はっ」

結局コーヒーを飲むことなく話は終わった……。






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