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世界の片隅で生きるために
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弟子卒業試験のはじまり2
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分が全力を出して相手を傷つけたら、その痛みはどれくらい? って考えると怖くてできない。

「それを直せってことだよね、きっと……」

 師匠としては、私を死なせたくはないんだろう。
 ハンター試験中の死傷率は異常とも言えるものだし、新人の合格率は3年に一人。
 本試験会場に自分は師匠のおかげでナビゲーターも探さずに行けるけれど、会場についたもののうち9割は一次試験で不合格。それ以後の試験内容だって、試験官によっては受験者同士で殺しあいを公然とさせるものだってある。
 自分が最初に会得した念能力は、本当に戦いには向かない。師匠はそれを知っているから、オーラ総量を増やす鍛錬をしてくれたわけだし。

 いつかは、戦闘にも使えるような発を作ってはみたいけれど、あまり気が進まない。

 ……ちょっと不安になってきた。
 私、本当にハンター試験受けても大丈夫なのかな。

「いや、大丈夫なはずだ! 念を知らない人だって受けてるんだし、大丈夫」

 自分を励ますように声を出す。
 明日には、この少しは住み慣れた家を出ていく。師匠が天空闘技場行きの飛行船のチケットを用意してくれていたから。

 てか、準備良すぎだと思うんだ。
 私が断ってたらどうするつもりだったんだろう?

 断っても、無理やり放り込むつもりだったんだろうなあ。



 荷物は大きめのカート式のトランクケース一つと、この世界に来る時に持ってきた肩掛けカバン。
 中身は着替え(例のごとくゴスロリ……)と身の回りの細々としたもの。
 あとは愛用の化粧品類。この化粧品は、師匠の愛用品と同じものだけど、物凄くイイ。

 スキンケア用の乳液にしても化粧水にしても、メイク用のファンデにしてもグロスにしても、付けた感じが違うし、香りもまるでリラックス用のアロマみたいで癒される。人工の香料や肌に悪い添加物みたいなものは入ってない。
 きっと念能力者が作ってるんだろうなあと、漠然と思ってる。

 服と宝石、そしてこういう美容に関するものには、師匠はお金に糸目は付けない。
 お金を稼ぐ手段がなかった私にも同じように買い与えてくれていたから。

「しばらくは、闘技場の外のホテルに泊まることになるだろうしね。持って行くといいわさ」

 空港まで送ってくれた師匠に渡された封筒はかなり重い。
 中を見ると万札が束で入っていた。

「し、師匠……多すぎる気がします」

 あまりの大金に、軽く目眩を覚える。

「それはパラダイスレッドの買取料だと思えばいいわさ。だから、きちんと持ってくるように。
 ま、そのくらいのお金があっても、あの辺のホテル代は高いからすぐに100階クラス以上にならないと金は尽きるよ」

 ニコニコと笑みを浮かべて、恐ろしいこ
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