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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
されど転生者は龍と踊る・part7
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物事には理由がある。
例えば全然面白くないと感じる小説が妙に流行ったりするのは、その作品に流行に敏感な若者が惹かれる要素、もしくはその作品を面白いと誤認させる要素が存在するからだ。逆を言えば面白くない作品でも一定の要素と運があれば内容と不釣り合いな評価を得ることが出来る、という事でもある。それらも含め、因果関係というものは存在する。突然大量の人が動くなら、それは理由や原因無くしては起こりえない。

物事には二面性がある。
例えば企業が節電をするのはエコを気にしている訳ではなく、それが合法的な電力予算削減につながるからこそ実行しており、逆にそのメリットが存在しなければ節電の動きも消極的になる。無論エコアピールによりイメージアップを図れるという利点もあるが、善行に見えることでも必ずしもそれがきれいな理由で行われているとは限らない。たとえボランティア活動であっても、それも「自分がこういうことをしたい」という意志に裏付けされている。表と裏が重なる瞬間があるからこそ人は物事を起こすのだ。

物事には順序がある。
時々ゲームやアニメの影響で殺人事件が起きたと主張する人間がいるが、そういう人間は得てして「順序」という概念を正しく理解していない。例えば、ゲームをしていて突然「そうだ、人を殺そう」と考えるようになるのではなく、社会的もしくは家庭的な立場やそれによる精神の抑圧、あるいは人間関係や理想と現実のギャップなどさまざまな要素によって自制が利かなくなってゆき、そんな不安定な精神がトリガーを引く「切っ掛け」を探したため偶然そういったものに結び付いただけだ。始まりがあり、蓄積があり、そして切っ掛けで爆発する。こう順序だてて解釈すればその「切っ掛け」とゲームを結び付けるのに少々無理があることが分かるだろう。物事が起こるのには大抵どこかで見えない「理由」が重なっており、それを原因として物事が起きるのだ。


・・・だが、同時にこうも考えられるのではないか。「それが分かった所でどうだというのだ」、と。
人が殺人に至るまでの全てのメカニズムが解明したところで、人殺しがこの世からいなくなるわけではない。例え自己満足行動だと分かっていても、それで人がボランティアを止めるわけではない。そして―――


「いくら今の私がフェイトを可愛がっても、それで今までの仕打ちが帳消しになる訳じゃない・・・そんなことはとっくに分かってるのよ!でも、でもそれじゃ今更フェイトに何て言って謝ればいいっていうのぉぉ〜〜〜・・・」

詳しいことは知らないが、大吟醸片手におんおんと泣いているプレシアさんに困り果てながら俺はつまみをかじった。チーズ鱈超うめぇ。

「アリシア・・・私を導いてくれ・・・」

ほわんほわんと脳内イメージを画像にして頭の上に浮かべるプレシア。無限力
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