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星の輝き
第14局
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の記憶がある!?いったいなんなのそれ!?でも、ヒカル君もあかりちゃんも本気だ。とても嘘や冗談を言っているようには見えない。…それに、それがホントなら、ヒカル君のありえない強さも納得できる…。

「…ヒカル君は前世でプロ棋士だった記憶があって、佐為さんは秀策についてたお化けかぁ…。碁打ちじゃなきゃ到底信じられない話よね…。」
「オレの話、信じる?」
「不思議と納得できちゃうのよね。不思議は不思議なんだけどさ。前に打ってくれたのがヒカル君。今日が佐為さん。二人とも明らかにプロレベルの強さだった。それも並じゃないレベルの。子供が一人で覚えたってより、前世の記憶があって、しかも秀策並みの人が教えてたってほうが納得できる。…しかも、扇子も見えちゃったしね。」
「それでさ、佐為のことは秘密にしてほしいんだ。」
「んーまー話したところで誰が信じるとも思えないんだけど…。むしろ怪しい人に思われる?む、でも秘密、そうか、秘密か…。」
 
 そういって、いたずらっぽくニンマリと笑う奈瀬。
「な、なんだよ。」
「ね、秘密にするからさぁ、その代わり私とも碁を打ってくれないかなぁ。ヒカル君でも、佐為さんでもいいからさぁ。」
「えっ、それは…。」

「ふざけないでっ!!」
 あかりが立ち上がって、奈瀬を睨みつけた。
「あ、あかり、どうしたんだよ。」
「あれっ、えっと、その。」
 あかりは小さく体を震わせながら、うつむいた。
 
 そして、奈瀬に向かって、土下座をした。
「お願いします、ヒカルと佐為のこと、誰にも話さないでください。秘密にしてください。お願いします。」

 あかりの突然の土下座に、奈瀬はもちろん、ヒカルと佐為も慌てふためいた。
そんなあわてる周囲をよそに、あかりは言葉を続けた。
「私が昔ヒカルから話を聞いたとき、私はまだ小さかったから、それがどれだけの重みを持つことなのかよくわかっていなかったの。でも、最近分かるようになったの。ずっと考えていたから。ヒカルがどれだけの覚悟で私に話をしてくれたのか。」

 あかりは軽く顔だけを上げて、奈瀬を見つめる。
「もしも佐為のことを知られたら、ヒカルはこの先一生、碁打ちとしてやっていけなくなります。誰もヒカルの碁を見なくなる。後ろにいる佐為だけを見るようになってしまうの。」

 あかりの言葉に、奈瀬は息を呑んだ。
確かに佐為の存在はそう簡単に信じられるものではない。
だが、もし佐為の存在が認められたら?
佐為が見えず、佐為の言葉が聞こえない周囲には、ヒカルが打つ碁は佐為の碁としか見られなくなるだろう。
常識的には信じられる話ではない。
だが、碁打ちなら?

 奈瀬が納得してしまったように、信じる人間は多いのではないか?

「…でも、何でヒカル君はそんな大事なこ
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