暁 〜小説投稿サイト〜
真剣で武神の姉に恋しなさい!
箱根 後編
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 大和がいる部屋には、男メンバー全員と千李が集まっていた。その理由は大和が風邪をこじらせてしまったのだ。原因は言わずもがな、昨晩の千李のあれである。

「それにしても、本当に馬鹿は風邪引かないのね……」

 大和のとなりで筋肉を見せ付けるようなポーズをとっている岳人を一瞥する千李は軽めにため息をついた。

「まぁ……千李姉さんのせいでもあるんだけどね……」

「女の子の風呂を覗きに行ったんだからそれだけの制裁は受けるものだと思うのだけれど?」

「ぐ……」

 正論を言われてしまい黙りこくる大和だが、意を決したように立ち上がり宣言した。

「よし、やってやる。この状態でクリスと決闘してやる」

「おー」

 その決意にその場にいた全員の声が重なる、戦闘をすると決まったわけではないが、風邪を引いたまま何かするのは普通ならばつらいものがある。

「ん?」

 ふと千李がドアのほうに目を向けると、そろそろとドアに近寄っていた。その行動に小首をかしげていると、千李がドアを一気に開ける。

「わひゃあ!?」

 素っ頓狂な声を上げて部屋に転がり込んできたのは由紀江だった。彼女はばつの悪そうな表情をした後大きく頭を下げた。

「す、すいません!盗み聞きする気はなかったのですが、聞こえてしまって……」

「謝らなくていいからまゆっち、顔上げなさいって」

「しかし……」

 なおも謝ろうとする由紀江に千李が軽くデコピンを放つ、

「誰も気にしてないしいいってば、だけどこのことは言っちゃだめよ?」

 由紀江はそれに不安そうな顔をするものの、大和が頷くのを見ると、渋々といった様子でだが頷いた。

 その後大和は買ってきてもらった風邪薬を飲むと、クリスとの決闘のため川原に向かった。



 決闘の仕方は百代と翔一が話し合った結果、川神戦役の縮小版となったようだ。ようは平等に入れたくじの中での勝負と言うことだ。先にくじを引くことになったのは大和のようで、箱の中をまさぐっている。

 大和が選んでいる最中、横のほうで京が変なイマジネーションプレイを行っていたがそれは無視されてた。

 一回戦、二回戦はそれぞれ一勝ずつということで、一勝一敗の同点。その後もどちらも一歩も譲らぬ展開で結局二勝二敗までもつれ込み、最終決戦第五回戦まで執り行われることとなった。

 途中妙な勝負もあったがそこはスルーしておいたほうがいいだろう。

 最終決戦は山頂からのダウンヒルランニングバトル。引き当ててしまった大和は苦い顔をしていた。なにせ大和は風邪を引いているのだ、それにこの勝負の以前から多少ふらつく場面が何度かあった。おそらく体力も限界に近いのだろう。

 それでも大和はあきらめることをせず
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ