第二十三話 悩み
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設備。医療施設としてはまだ充実してるほうなんだろうが流石にプラントの医療施設や大きな設備のある所、連合の研究所には劣る。
そして最後の三つ目がエクステンデットとしての記憶処理と覚醒実験―――早い話が個人的な動機の類だ。しかし、これは言い訳させてもらえるなら善意と打算の両方が入り混じったものだ。今後も彼女の立場というものを考えれば少なくとも何らかの首輪が必要になる。
首輪の存在としてシンが最有力候補だが保険はいくつあっても問題ない。クラウはどちらかと言えばここぞというとき以外は慎重なタイプなのだ。うっかりすることが多いから……。
記憶処理に関してもエクステンデットとして記憶の調整を受けており、シンのことも忘れていた。だが、思い出すと言うことがあることから記憶を完全に消去したわけではない。例えるならネットのゴミ箱に放り込んだだけであり、復元自体は可能だ。だからこそ、余計な記憶は消して、都合の良い記憶を思い出させる。
研究所の人間と同じ穴の狢といえるだろうが、所詮俺はこれを造った奴等と同類だ。戦争でゲルググが活躍することを喜ぶような人間なのだから。とはいえ忘れさせるものは多くは無い。精々人体実験などの後々にトラウマになる可能性のあるものだけだ。ネオのことや連合の事だって覚えているだろう。そこから先の説得はシンの仕事なのだから。
それ以外にも色々とあるが、これ以上の説明は面倒だし省いておく。
「そういえば結局リゲルグは再調節ってことで実戦での使用が見送られたんだよな……艦に乗せてる兵器って他に……そう言えばアレ二種を造る為に一機だけ試作した奴があったよな―――アレに乗るか?いや、しかし心情的にも……」
ブツブツと呟きながらステラの再調整を施すクラウ。実に不気味というか、遠目から見たら悪役のようにしか見えないだろう。幸いなのはここが医務室で彼と患者の二人しかおらず、更に患者の方は意識を失っていることだろう。
その後も彼は医務室で長い時間治療―――再調整を行うのだった。
◇
「また、オーブ軍も尽力して下さり、軍として良く働いてくれたかと―――」
『それで、報告はそれだけかね?』
ネオは自分の部屋でロゴスの当主であるロード・ジブリールに先のミネルバとの戦闘を報告していたのだが、御託はいいとばかりに結果をせかす。
「その、カオスが大破。ミネルバはMS隊を含めて甚大な被害を被った事は間違いありませんが落とすには至らず――――――」
画面の向こう側で机にグラスを叩き付けるジブリールの姿が映る。表情を憤怒に染め上げ、今にも爆発しそうな様子だ。
『そこまでお膳立てされていながら、結果が艦一隻とMSに損傷を与えただけだと?冗談では無いぞ!!』
期待してないと言いつつも失敗すればこうやって癇
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