暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
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『・・・やぁ!はぁ!』

『・・・そこまで!』

『く・・・はぁー!やっぱり姉貴は強いなぁ・・・』

『当たり前だ。そう簡単に負ける筈がない』

『相変わらず姉貴は息一つ乱さないし・・・』

『この位、団に入ればよくやることだ』

『うぇ、そりゃ大変だ』

『・・・とにかく、今日はここまでだ。・・・ふふ、頑張ったわね、サキ』

『へへ・・・何時かは姉貴と・・・■■■と肩を並べたいよ』

『お前なら何時かは並べられるわ。・・・その時が楽しみね』

『ふっふーん。■■■を守れるようになってみせるさ』

『・・・そうやってすぐ調子に乗るな』

『あははは』









「うん・・・」

目をゆっくりと開く。見たことのある天井・・・ユリアシティの天井と僅かに胸に重り・・・


「・・・撫子?」

撫子が椅子に座りながらベッドに上半身を載せ、眠っていた。

「・・・っ!?」

起き上がろうとしたら激痛が走った。・・・俺の身体はあっちこっちに包帯が巻かれ、どこも血が滲んでいた。

「・・・」

咲の身体じゃないからか、傷が治らない。

「くそ・・・」

撫子が来てくれなかったら・・・間違いなく死んでいた。

「くそ・・・!」

情けない。警戒してればシンクの気配だって気づけたはずだ。・・・つまり、俺は詠に意識を向けすぎていたのだ。

「・・・くそぉ!!」

「・・・!?」
俺の声に撫子が反応して目を開き・・・俺を見て固まり、飛び込んで来た。

ズキーン!

「いっでぇぇぇっ!?」

「ご、ごめんなさい!」


少しの間痛みに悶え苦しみ・・・

「咲さん・・・よかったです・・・目を覚まさないから・・・」

「悪いな。心配かけて・・・みんなは?」

「それは・・・」

・・・セントビナーは崩落した。だけど飛行音機関・・・“アルビオール”が間に合い、セントビナーの人達は全員助かったそうだ。それで、このままではセントビナーは泥の海に沈んでしまうらしいが・・・セントビナーから東のシュレーの丘にあるパッセージリングを操作してセフィロトツリーを再生すれば、一先ずセントビナーは沈まないらしい。・・・愛依、黒羽、撫子が残り、アビスメンバーがシュレーの丘に向かった・・・

「セントビナーの人は無事だったんだな・・・よかった」

気がつくと、撫子が顔を伏せていた。

「・・・私のせいです・・・私が、油断したから・・・」

・・・俺はため息を吐く。

「・・・確かに、そりゃ失策だったよな」

撫子が更に落ち込む。・・・だが俺は「けど」と続ける。

「少なくとも、撫子が来てくれて助かったのは事実だぜ」


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