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カンピオーネ!5人”の”神殺し
護堂、神殺しとしての覚醒
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にならない程の凄まじい速さで睡蓮に迫ったのが原因・・・ではない。確かにそれも驚きの一つではあったが、その後・・・

「なっ!?」

 睡蓮が迎撃の為に放った、薙刀の攻撃を避けることが出来たことに対しての驚きだった。

「貰った!!!」

「甘いと・・・言っています!」

 しかし、懐に入った護堂は、またもや彼女に投げられた。懐に入り込まれた瞬間、彼女は薙刀を放棄して、瞬時に投げの体勢に入ったのだ。

 しかし、今回は咄嗟に投げたので、先程までのように地面に叩きつける方法ではなく、上空に投げ飛ばす方法を使ってしまった。護堂は、動物のような身のこなしで空中で体勢を立て直し、危なげなく着地した。

 いくら手加減していたとはいえ、睡蓮の攻撃を避けることが出来るはずが無かった。護堂が武術の類を習ったことがないのは既に判明している。現に、今までは成すすべもなく、いとも簡単に投げられていたのだ。それが、たったの数分で、マスタークラスの実力者である彼女の攻撃を避けられるとは。

(今の一瞬・・・神速に入った・・・?)

 睡蓮には、ほんの一瞬だけだが、護堂の速さが神速の領域に入ったように見えた。当然ながら、睡蓮も『心眼』は会得している。

「今の、神速の権能じゃないな。何というか、身体能力に任せて、力技で空気の壁を突破したように見えた。小さいが、ソニックブームまで起こしたみたいだったぞ。」

 同じく『心眼』を習得している翔輝の呟き。そもそも、神速とは時間操作の権能だ。『A地点からB地点までの移動時間をデタラメに縮める』能力。つまり、神速の権能を使用したならば、ソニックブームなど起きるはずがないのだ。それが起こったということは、一瞬とは言え護堂は彼の身体能力のみで、その速度へと至ったということ。今までの動きを見ていた者達からすれば、驚きの強化率だった。そして確信する。これが、世界で十一番目の魔王、【混沌の王】草薙護堂の権能だと。

「・・・今の攻撃・・・貴方の武術の腕前が上がったというよりは、体の『すぺっく』で私を上回り、ゴリ押ししてきたという感じでしたが・・・。身体能力の上昇でしょうか?」

「・・・・・・。」
 
 近いが遠い。彼の権能は、そんな単純なものではない。そして、知られたからといって、対処されるような物でもない。

 彼の権能は、この人外たちから見ても、正に『規格外』の権能。それほどまでの神秘を、今の彼は背負っているのだ。

「行くぞ!」

 再び護堂が走り出す。そして、それを待ち受ける睡蓮。彼女には、既に油断や手加減など存在しなかった。今の彼に手加減などした瞬間、今度は自分が地に伏せることになるだろうと予感していたからだ。勿論、模擬戦なので殺傷能力の高い攻撃はしないが、命に別状がないところ
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