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SAO編−白百合の刃−
SAO40-グーチョキパー
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で、仲良くとは言わないが悪くない空間で一緒に食事するのは心地よいものだ。誰も空気を悪くしようと思わない。
 剛姫が乾杯の音頭の時、今日も無事に生きて今日を終えることができた。悪くない居心地でみんなと食事できるのも、生きていられるからだ。
 死んだ者は……もう、一緒に食事できない……。

「…………白の剣士」
「あ、はい!」

 漆黒から声をかけてきた。もしかして……告白!?

「パスタを巻いたフォークを宙に浮かせたまま持っているだけなの? 食べるだけなの?」
「…………」
「それうざいから、食べるか置くかして」
「……ごめんなさい」

 告白なんてあるわけなかった。いや、当たり前だ。何を考えているんだ。つか、食事中に考えることではなかったわね。
 どうしても、どうやっても思い出してしまうわね。でも仕方のないことなんだ。私のせいで死なせてしまったことだし、私のせいで深くて癒え難い傷を刻んでしまった。そしてその事実をずっと引きずりながら、何度も後悔して、私は生きらなければならない。それが私の唯一の償い。忘れないことが私にできるころだ。
 今を生きる。その証拠となる食べ物、クリームパスタを口に入れて食べる。
 美味しい。今を生きている証拠だ。

「ありがとう」
「別にお礼を言われるようなことは言ってないわよ」
「……そうだね」

 淡々と返した漆黒は淡々とクリームパスタを食べていた。

「ねぇ、漆黒」
「黙って」
「え?」
「食事中は黙って食べなさい」
「いや、その……」
「黙って」
「……はい」

 漆黒は、食事のマナーにうるさい方なのかな? いや、食事中に話しかけるのはあんまり良くないか。

「赤の戦士、ソバじゃないんだから……」
「同じ麺だからいいだろ別に」
「そんなんだと、男の子に嫌われちゃうわ。あ、女の子だったかしら?」
「おい、調子乗り過ぎ野郎、オレをバカにしただろう。たかがパスタをすすってなにが悪いんだ!」
「気になったから言ってみただけだよ〜」
「ふざけんじゃねぇぞ、オラァ!」
「ふ、二人共……食事中に喧嘩は……」
「ああん?」
「ひゃ、なんひゃうへぇうう……」
「あ〜あ、赤の戦士で鋼の騎士ちゃん噛んじゃった〜」
「噛んだのはオレのせいではないだろ!」

 あの人達は注意しなくてもいいのかな? それとも関わりたくないから無視して料理を食べているのかな? 剛姫は微笑ましく見守って止める気は今のところない。なんだろう、私って……損しているのかな?



「美味しかったです、剛姫さん」
「そう言ってくれると、料理スキルを上げてよかったと思うわ」

 食事を終えた、私達は明日の予定を立てる話しに進めていた。

「なんか妙な味がする……」


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