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ゲルググSEED DESTINY
第十二話 かつての日常
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なことを考えていると父さんは言っていた。クラウは大局を読み誤ったオーブは選択が迫られてるとも言ってた。敗北か隷属かだと。そしてそれは一気に、信じられない形で始まった。

俺達はクラウの家族と一緒に避難してた。クラウ自身は数日前からPCを使って何かデータを抜き出してたみたいだ。俺を含めた全員に早く行こうと説得されてたけど、データを回収したらすぐに行くとだけ言って先に行くように促してた。
結局、プラントに着いた時に全部抜き出しきれなかったと呟いてたけど。
マユが携帯電話を落として駄々を捏ねる。マユにとって色んな思い出がつまったものだったし、色々と我慢してまで手に入れた携帯電話だった筈だ。俺は父さん達より身体能力が高いし、すぐに追いつけると思ってマユの携帯電話を取りに行った。
その小さな行動の違いが俺の運命を変えた。

「うわぁぁあああ――――――!?」

自分の後ろで爆発が起きて吹き飛ばされる。暫くは痛みで何が何だかわからなかった。必死に誰かに呼びかけられて目を覚ます。目を空けた先にいたのはオーブ軍の人だった。
ハッとなってあたりを見渡すと瓦礫が出来ており、その下にはマユや、父さんや母さん、クラウの家族の体の一部が埋もれた中から赤く染まってはみ出てた。

「ああ、ああ……ああああああ――――――」

そこからのことはハッキリとは覚えていない。クラウがいつの間にかいて、いつの間にか船に乗せられていた。クラウも疲れがでたのか横で座りながら寝ていた。それが俺にはまるで家族との別れを受け入れられないかのように見えて、罪悪感で胸が苦しくなった。

「君だけでも、助かって良かった」

艦内にいた一人の軍人がそう言う。俺は首を横に振る。何で俺だけ助かったんだッ!マユも父さんも、母さんも……こんなことなら俺もあの時一緒に……

「少なくとも、ご家族は、きっとそう思っていらっしゃるよ」

「う、うっ……あぁぁ―――」

俺は声を殺しながら泣き続けた。

その後はクラウやトダカさんに色々と便宜を図ってもらいプラントに行くことになった。トダカさんは年配の大人だったと言うこともあって恩を返しきれないほどお世話になった記憶がある。
メールでのやり取りもしばらくはしてたけど、その内プラント本国の近くでも戦争が激化したりして結局今は音沙汰がなくなった。
今でも時々思い出すけど、あの人は今頃どうしてるんだろうか。







夢から目が覚める。いつの間にか眠ってしまったようだ。
あの時のことを思い出すと俺はいつもザフトに入ったきっかけを必ず思い返す。
戦争なんて起こらないほうがいいけど、現実を見ないで理念だけ語ったってどうにもならない。マユも父さんも母さんももう戻らない。戦争を止めることができないならば、オレは戦う
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