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とある星の力を使いし者
第73話
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式などで質や量を変えてしまうので、それ単体で迎撃魔術を作る事は難しい。
だが、生命力はその人間が生まれた時に決まっているので迎撃魔術を作る事は簡単なのだ。
このままではオリアナを捕まえる事が出来ない。
だから、土御門はステイルに敢えて魔術を使用させて、こちらからその迎撃魔術が発動している場所を逆探知する事になった。
上条は驚いたが、ステイルは了承する。
なぜ、彼をそこまで衝き動かすのか、答えは簡単だ。
もし、この受け渡しが成功すれば学園都市や魔術世界に何らかの影響が出てくる。
それが原因で上条の側にいるインデックスが呼び戻しを受けるかもしれない。
インデックスは上条の側にいる事を幸せと感じている。
ステイルはインデックスの幸せを守るためなら何だってする。
それがステイル=マグヌスという男だ。
土御門も自分の身を犠牲にして「占術円陣」を使い迎撃魔術の居場所をつき止めた。
ステイルの側に「理派四陣」を設置し、魔術を使った反動で血で汚れた体操服を着替える為に土御門は別行動をとっている。
いくら大覇星祭中とはいえ、体操服のほとんどが血で汚れていたらさすがに騒ぎになるからだ。
とりあえず、上条は一足先に競技会場に向かっていた。

「けどよ、時間がないとはいえ俺達高校生が中学生の競技に紛れ込むなんてさすがに無理があるだろ。」

「まぁ、そこは若さでカバーだぜい、カミやん。」

携帯を片手に土御門と通話する。
土御門の言葉を聞いて何だか駄目かも、という気持ちになる上条。

「だが、時間はかけたくない。
 他の一般生徒に被害が出ないためにも急がないとやばいぜい。」

次に聞いた土御門の言葉を上条は聞き逃す事が出来なかった。

「他の一般生徒に被害って、どういう事だ!?」

「オリアナの魔術である「速記原典(ショートハンド)」については説明したな。」

オリアナは自分の手で魔道書を作る事が出来る魔術師だ。
ステイルに迎撃魔術をすぐに発動できたのもこの「速記原典(ショートハンド)」の力が大きいだろう。
魔道書を書くのには時間がかかる。
それに原典を用意するのも簡単にはできない。
だが、オリアナ自身が簡単な走り書きとはいえ魔道書を書ける魔術師なら合点がいく。

「オリアナが仕掛けた「速記原典(ショートハンド)」は簡単に効果を説明すると魔術を使用した魔術師に自動迎撃するもんだにゃー。
 この世には言霊という簡単な術式も存在する。
 言霊の準備は簡単でな、声を出すだけで発動できる。
 だが、俺達がステイルの側で話をしていてもなんら影響がなかった。
 まぁ、言霊にも並べ方には法則があるから、ただ単に声を出すだけじゃあ反応はしなかったかもしれない。
 だが、この世には言霊よりも簡単な魔術儀式がある。」

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