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真似と開閉と世界旅行
兄妹喧嘩〜
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早貴〜

「・・・」

わたしは亮がログアウトした後も座り込んでいた。

「・・・」

『咲さん・・・』

「・・・」

「ちょっと、咲」

詠が話しかけてくる。

「回復してない訳じゃないんでしょ?次はどうやって突破するか考えて・・・」

「・・・無理だよ」

「・・・え?」

「無理だって言ったの。わたしなんかの力じゃ無理・・・」

(無理なんかじゃない・・・!不可能なんてない!)

意識と思考が分離し、離れていく。俺の考えは最早わたしとは真反対にあった。

「・・・ふざけんじゃないわよ。なにヘタレてんのよ!」

「うるさい!もうやだ!なんで何時もわたしばっかり!わたしが何か悪いことしたの!?ただ普通に生きてただけなのに!なんでぇ・・・!」

「・・・(ギリッ)」

「やだぁ!返してよ!お姉ちゃんも何もしてないのに!おかしいよぉ!」

「・・・甘っ・・・たれるなぁ!!!」

パァン!


「あ・・・」

詠に・・・叩かれていた。

「なんで・・・なんで叩くのよ!」

パン!

咄嗟に反撃。詠も負けじとまた叩き、わたしを無理矢理立たせる。

「甘ったれんなって言ってんのよ!なんでわたしばっかりですって!?別にあんただけが辛い訳じゃないでしょ!?キリトも亮も!今はきっとリーファだって!いや、そもそもSAOに巻き込まれた人だってそうよ!醜いこと言ってんじゃないわよ!」

パァン!

「さっきからパンパンパンパン・・・いったいのよ!」

痛覚なんてないけど、何故か平手が痛かった。わたしは詠と叩き合いの取っ組み合いを始める。

「え、詠さん!咲さん!」

『止めて下さいッス!』

亞莎とリパルが止めに入るが・・・止まる筈がない。

「あんたみたいな我が侭な妹がいてアスナも大変だったでしょう、ね!」

「なんですってぇ!?この、人が苛立つことばっかり口にして!」

「軍師なんだから相手の心理くらいわかるわよ!そんなことも解らないのかしら!?」

「・・・こんのぉ!」

平手と平手がどんどん相手の頬を叩く。きっと現実だったらお互いの頬は真っ赤だろう。

「とにか、く!諦めてんじゃ、ないわよ!」

「なん、で!あなたがそんなこと、決めるのよ!」



「アンタは“サキ”なんでしょ!?ボクの知ってる“咲”はねぇ、どんな壁にぶち当たっても、心が折れそうになっても最後は必ず突き進んだ!勝ち取った!あんたもサキなら・・・こんな壁くらいでへこたれてんじゃないわよ!!!」

ガツン!

平手ではなく、拳が飛んできて殴り飛ばされた。

「っぅ・・・!?」

「はぁ・・・はぁ・・・咲は・・・わざわざ別世界にいた
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