暁 〜小説投稿サイト〜
季節の変わり目
因島へ
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
ってやろう」と意気込んでいた。それをヒカルは佐為が再び現れてから思い出し、ずっと機会がないか探していた。佐為が虎次郎のことをさっぱり忘れていても、形だけでも来させてやりたかった。東京の巣鴨でも良かったが、せっかくだったら遠い所に行ってみたかった。

「ヒカル?」

「わ」

一人回想にふけっていると、佐為が俺の顔を覗いていた。驚いた俺は一歩退き佐為を見つめる。

「な、なに」

「お墓にも行くでしょう?案内してくれますよ」

佐為に手を引かれて、案内の人の後をついて玄関に向かう。去り際に秀策の展示品を見た。佐為の後ろ姿が妙に遠く感じる。佐為は虎次郎のことも、俺のことも、これからもずっと、忘れたままなんだ。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ