暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX ~Unknown・Our Heresy~
第7話 退学宣告? 翔の決意の炎
[1/17]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
side 三人称

「(ここは・・・・?)」

体の揺れに明日香は意識を取り戻した。

「(そうだ、私・・・・廃寮で誰かに薬を嗅がされて・・・・)」

明日香は自分に起きた出来事を思い出し振り返る。

自分の忠告を無視して廃寮内に入って行く十代たちの姿を目撃し、自分もその後を追って廃寮へと入って行った。

しかし、廃寮内は思った以上に暗く、十代たちを見失ってしまった。

辺りを見渡していると、突然後ろから何者かに薬を嗅がされ、そこで意識が途切れている。

何があったのかと困惑する明日香は、閉じていた目をゆっくりと開けた。

第一に視界に飛び込んできたのは“赤”。

情熱的な炎の赤。

自分を負かした男を連想させる色。

そこで明日香の意識が完全に覚醒した。

「十代!?」

「お! 起きたのか明日香」

思わず声を上げてしまった明日香の方に十代は顔を振り向かせた。

明日香が驚いた訳は、自分が十代におぶられているからだった。

明日香は自分の置かれている状況に顔を紅くする

「な、なんで私十代に!?」

自分の状況に取り乱す明日香。

「お前、廃寮でタイタンに眠らされてたんだよ」

「タイタン?」

十代が言った聞きなれない名前を鸚鵡返しする明日香。

「まぁ、簡単に言えば犯罪者かな? でも、自分の罪を償うって更生を表明したから元犯罪者だな」

鸚鵡返しされなんと言えばいいのか考えている十代に変わり、直哉がタイタンの事を明日香に説明した。

そして、廃寮で起こった事も全て話した。

勿論、直哉たちが体験した事は語ってはいない。

「そう・・・・ごめんなさい、迷惑掛けて・・・・」

話を聞き、自分の所為で十代たちを危険にさらしてしまった事に明日香は申し訳ない表情を浮かべた。

「別に良いって! あ! そうだ、これ」

謝る明日香を笑顔で許し、十代はで拾ったエトワール・サイバーのカードと、廃寮で見つけた写真を手渡した。

「ッ!? これは、兄さん!」

手渡された写真を見て、明日香は目を見開き驚いた。

「悪い、それしか明日香の兄ちゃんの手掛かり見つけられなかったんだ」

十代は申し訳ないと明日香に謝った。

そんな十代に、明日香の顔が再び赤く染まる。

その時、遠くで朝を告げる鶏の鳴き声が聞こえてきた。

「ヤバッ!! 早く寮に戻らないと!! またな明日香!!」

「待ってよ! アニキ!!」

そう言って十代は明日香を背から降ろし、翔たちと共にレッド寮に猛ダッシュで戻って行った。

一人残された明日香は、去っていく十代の背を微笑みながら見つめる。

「フフッ、全く、お節介な奴」

口ではそう言っ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ