第七話 開戦の号砲
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が近すぎた。
「しまった!?」
「くそ、行くぞお前ら!」
ジュール隊やハイネ隊が必死に核を追う。しかし、ウィンダム部隊へは届かず、核は発射されてしまう。
イザークは思わず思い出す、かつてのヤキンドゥーエ戦の時のような状況だと。その時は二機のMSがプラントを救った。しかし、彼らは此処にいないし、来ることもない。
もう無理だと、思わず目を逸らしそうになったその時、Nスタンピーダーナスカが起動した。
「何だと!?」
次々と暴発していく核、それは安全装置がついていたはずの発射されていないウィンダムの核やネタニヤフごと爆発していく。
「どういうことだ!?」
連合側の指揮官が驚愕の表情で驚きを露わにする。Nスタンピーダーナスカ―――ニュートロンスタンピーダーを搭載し、それを放つことで中性子の運動を暴走させ強制的に核分裂を起こし、核を誘爆させるシステム。条件が厳しく、Nスタンピーダーナスカを運用することは出来ないが、これで核攻撃を防ぐことが出来た。
「ど、どうするので?」
連合の士官の一人が最高司令官に問いかける。ネタニヤフを中心としたクルセイダーズは既に壊滅状態に近く、他の部隊も核を持つものはほとんどいない。何より、これを連続して使用されればこちらの核を消耗させるだけだ。
「……クッ、止むを得ん。撤退するぞ」
こうして、後にフォックスノット・ノベンバーと呼ばれる戦いは紙一重でザフトの勝利に終わった。
◇
開戦のきっかけにより連合と同盟を結ばざる得なくなったオーブ。ザフト所属のミネルバはオーブから出ていくしかない。
「すまないと思っている。ミネルバはユニウスセブン落下を防ぐ為に尽くしてくれたと言うのに、このような形で送りだすようなことになってしまって」
「いえ、仕方のない事でしょう。こちらとしても至らなかった点は多かったので」
カガリはミネルバに直接赴き、艦長室でタリアに対して謝罪していた。タリアはカガリのことを真っ直ぐな人間だが、だからこそ難しい人間だと思ってしまう。
正直に言ってしまえば、政治家に向いていないのではないのだろうかとも。とはいえ、そういったことを口に出すつもりもなく、国家元首が非公式とはいえ謝罪に赴いているので、タリア自身も礼節を欠かず、対応していた。
その後、カガリは退出し、道中でシン達と出会う。
「あ、その……」
カガリはシンを見て思わず言葉を詰まらせる。合わせる顔が無いとそういった感じだった。その様子を見たシンが先に言葉を放つ。
「それがアンタ達のやり方だって言うのかよ?」
「え―――」
「オーブの理想が如何とか言っといて、それで俺達を巻き込んで、そしたら今度はこれかよ!何がしたいんだよ、アンタ達は!
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ